Appleは2025年秋、従来のiPhone Plusモデルに代わる新製品「iPhone 17 Air」を投入する見通しである。このモデルは、シリーズ随一の超薄型筐体と刷新された外観を特長とし、発売前から著名YouTuberによる実機ハンズオンで注目を集めている。

その一方で、価格帯が上位のProラインに匹敵する魅力を持ちながら価格は抑えられる可能性があり、同社のフラッグシップモデルとの共食いを招くとの懸念も浮上している。Appleはデザイン革新を通じてiPhoneへの新たな熱狂を喚起しようとしており、短期的な利益を犠牲にしてでもブランドの再活性化を狙う姿勢を明確にしている。

販売構成のバランスを崩しかねないこの選択が功を奏するか否かは、iPhone X以来求められてきた視覚的刷新がどれほど市場に受け入れられるかにかかっている。

iPhone 17 Airが示すAppleの設計転換　超薄型筐体がもたらす製品戦略の再構築

iPhone 17 Airは、Appleが従来の厚みや重量の概念を見直し、デバイス設計における新たな潮流を創出する試みである。これまでのリーク情報やダミーユニットの実機レビューからは、これまでにない薄さと洗練された外観が確認されており、従来のProモデルをも凌ぐデザイン的革新が明らかとなった。

このAirは、iPhone 17 Proシリーズとは異なる魅力を提示し、これまでの製品階層構造に揺さぶりをかける存在となっている。一方で、Appleがこの新モデルをあえてProモデルより低価格で提供する可能性は、収益構造におけるリスクを伴う。

過去にもMacBook AirやiPad Airといった製品が既存ラインの一部ユーザーを吸収した事例があるが、iPhoneという最重要カテゴリでの試みはより影響が大きいと見られる。Appleはそれでもこの設計変更に踏み切った。それは、単なるスペック競争ではない、視覚的かつ触覚的な新鮮さによって消費者の感性に直接訴えかけるという戦略的な意思の表れである。

短期損失と引き換えの長期価値　Appleが選んだ「共食い上等」の市場活性策

iPhone 17 Airの登場は、Proモデルの販売に一定の影響を及ぼすとの見方が強い。特に、著名YouTuberであるUnbox TherapyのLewis Hilsentegerがダミーユニットを用いた動画で語ったように、「未来的」と称されるその外観は、既存ユーザーの購買意欲を一気に新モデルへと向けさせる可能性を孕む。

加えて、Airが高価格帯モデルと同等かそれ以上の注目を集めた場合、Appleは主力の収益源であるProラインの売上減を覚悟せざるを得ない状況となる。だが、Appleはそこにこそ意義を見出していると考えられる。iPhone X以降、大規模な外観刷新がなかったiPhoneシリーズは、技術革新の連続にもかかわらず、視覚的な新鮮さを欠き、消費者の関心の維持が課題となっていた。

iPhone 17 Airは、そのような“デザイン疲れ”への明確な応答である。Appleは、あえて内部競合を発生させることで製品群全体の注目度を高め、ブランドへの新たな熱狂を呼び戻すことを狙っている。その賭けが成功すれば、失われた短期収益を遥かに超える形で、長期的な価値をもたらす可能性がある。

Source：9to5Mac