サムスンは、Android 15に基づくOne UI 7のグローバル展開を一時中断していたが、重大なバグ対応を完了し、2025年4月中旬より配信を再開した。対象はGalaxy S24シリーズ、Z Fold 6、Z Flip 6などの最新端末から始まり、今後数週間で他のモデルにも広がる見込みとなっている。
アップデートには新たなAI機能、アニメーションの滑らかさ向上、プライバシー強化などが含まれ、体感的な操作性を大きく底上げしている。展開開始直後に一部ユーザーからロック解除不能などの不具合が報告されていたが、今回の再開でその課題は解消された形だ。
Android 15ベースのOne UI 7がもたらす進化と改善点

Android 15を基盤とするOne UI 7は、単なるバージョン更新にとどまらず、操作性や応答性の抜本的な見直しが施された点に注目すべきである。具体的には、新たに実装されたAI機能が日常的な動作の自動化を支援し、ユーザーの習慣を学習して提案を最適化する役割を果たす。また、アニメーションの滑らかさも強化され、画面遷移時の動作における違和感が減少。視覚的な体験向上とともに、操作レスポンスの体感速度が向上している。
加えて、プライバシー管理機能も刷新されており、アプリごとの権限制御や履歴の自動削除など、個人情報の取り扱いに対する透明性が高まった。これにより、利用者の安全性を保ちながらも使い勝手を損なわない設計が実現している。さらに、このアップデートはGalaxy S24やZ Fold 6、Z Flip 6といった2025年初頭の主力機種に優先的に提供され、今後はGalaxy S23シリーズやGalaxy Tab S9シリーズなど、旧世代の端末にも順次展開される予定である。
一方で、今回の展開開始に至るまでには、ロック解除不具合などの深刻な問題が報告され、4月上旬の配信は一時停止を余儀なくされた。サムスンは問題解消後、迅速に修正パッチを組み込んで配信を再開しており、この対応からは技術的な課題と慎重な調整を両立させる姿勢がうかがえる。
アップデート停止の背景と再開に至るまでの経緯
2025年4月7日に開始されたOne UI 7の初期展開は、当初こそスムーズに進むと見られていたが、実際には韓国市場において深刻なバグが相次いで発生した。とくにGalaxy S24シリーズなどで、アップデート後にロック解除が不能となる事例が複数報告されたことにより、サムスンは異例のグローバル展開一時中断を決断。発表直後というタイミングもあり、多くのユーザーが混乱と不満を抱える結果となった。
その後、同社は具体的なバグ内容を公表しなかったものの、内部的な検証と再調整を経て、1週間後には展開を再開。既にアメリカのT-Mobile利用者にも配信されていることから、修正は通信事業者レベルでの動作確認も完了していると見られる。また、展開再開時にはグローバル向けの配信も急ピッチで進められており、対象地域の拡大が進んでいる。
この一連の対応からは、サムスンが品質と信頼性を重視し、リリース後のフィードバックを柔軟に製品改善に反映させている姿勢が読み取れる。即座の再配信に踏み切らず、あくまで安定性を確認したうえで再開に至った点は、過去のアップデートと比較しても、より慎重な判断が下された結果といえるだろう。展開の遅れは一部で批判を呼んだが、安全性を優先した決断は、長期的には高く評価される可能性がある。
Source:Wccftech