Samsungは、Galaxy Z Flip6およびFold6に搭載されたOne UI 7において、Always On Display(AOD)機能上のClockFaceスタイル使用時に時計表示がずれる不具合に対処するアップデートを準備中であると明らかにした。該当の問題はGood Lockモジュールのカスタマイズ要素で発生し、画面上の視認性や整合性に影響を及ぼしていた。
今回のアップデートは、Samsungコミュニティモデレーターの投稿を通じて公式に確認されたもので、来週初頭までにすべての対象ユーザーに向けて段階的に提供される予定である。これにより、ClockFaceの再利用が可能となり、AODの見た目を元通り自由に調整できるようになる見通しだ。
ClockFaceの不具合発生とその技術的背景

Galaxy Z Flip6およびFold6に搭載されたOne UI 7で、Always On Display(AOD)上のClockFaceスタイル使用時に発生する表示ズレの問題は、Good Lockモジュールのカスタマイズ性が関係している。ClockFaceは時計の外観を細かく設定できる拡張機能だが、一部のスタイルにおいて座標の描画位置がズレるバグが確認されていた。具体的には、表示される時計が画面の中央から外れた位置に現れるというもので、AODの視認性やバランスに支障を来していた。
この問題はOne UI 7.0に特有であり、2025年春に登場したZ Flip6およびFold6で顕著に見られていた。Samsungはこの不具合を公式コミュニティを通じて認識し、ClockFaceの動作とAOD描画ロジックの整合性に関する修正作業に着手。今回のアップデートでは、ClockFaceのスタイル設定とAOD上のレンダリングを統一する調整が行われるとされている。
機能豊富なGood LockとAODの組み合わせは、高度な個人化を可能にする一方で、OS側の微細な変更が表示の挙動に思わぬ影響を与えることもある。今回の事例は、そのバランス調整の難しさを物語っている。
今回のアップデートが意味するSamsungの対応姿勢
Samsungが今回、表示ズレ問題に対して比較的短期間でアップデートの提供を予告した背景には、Galaxyシリーズの体験価値を重視する姿勢が表れている。4月15日に指摘された不具合に対し、1週間ほどで修正の配信がアナウンスされたことは、既存のユーザーとの信頼関係維持を重視する表れとも受け取れる。
特にAODやGood Lockなどの機能は、日常的に使用する上での細かい満足感を支える要素であり、その不具合は製品全体の印象を左右する。今回の対応により、SamsungはFlip6およびFold6というフラッグシップに対する品質管理意識をあらためて示した形となる。
一方で、こうしたバグの発生自体が初期検証フェーズで見過ごされた可能性も否めない。表示位置に関するズレは視覚的に即座に気づくレベルの問題であるだけに、今後はソフトウェアテスト体制やGood Lockとの整合性チェックを強化する必要性も浮き彫りとなった。修正後のClockFaceが安定して動作すれば、ユーザーの信頼回復にもつながるだろう。
Source:Sammy Fans