Appleが次期iPhone 17シリーズにおいて、RAM容量を過去最大の12GBに増強するとの見通しが報じられた。対象はProやPro Maxに加え、薄型の新モデル「iPhone 17 Air」にも及ぶ可能性があるという。これにより、Galaxy S25やPixel 9と並ぶスペック水準が実現されることになる。

RAMの増加は、WWDC 2025での発表が予想されるiOS 19や、AI機能「Apple Intelligence」への対応に向けた基盤整備とも考えられる。AIモデルのオンデバイス実行には高いメモリ性能が不可欠であり、Appleはクラウド依存を抑えつつ処理速度とプライバシー確保の両立を図る構えだ。

iPhone 17の12GB RAM搭載はPro系とAirモデルにも拡大か

Appleが2025年に投入予定のiPhone 17シリーズでは、過去最大となる12GBのRAMを搭載するモデルが複数存在する見通しとなった。アナリストのミンチー・クオ氏によると、この仕様はProやPro Maxだけでなく、新たに登場が予想される「iPhone 17 Air」も対象になる可能性がある。これまでの報道ではPro Maxのみがアップグレードされるとされていたが、今回の情報により計画がより広範囲に及ぶことが明らかになった。iPhone 16シリーズまでは8GBが上限であったことを踏まえると、性能面での進化は顕著である。

背景には、WWDC 2025での発表が見込まれるiOS 19と新AI機能「Apple Intelligence」への対応があるとされ、RAMの増加はデバイス上でのAI処理を安定して行うために不可欠と考えられる。Appleはオンデバイス処理とクラウド側の「Private Cloud Compute」の連携により、セキュリティとパフォーマンスの両立を目指している。今後iPhoneの操作全体にAIがより深く関与する中で、メモリ性能の充実は中心的な技術要素になる。

この動きは、既に12GBのRAMを標準搭載しているGalaxy S25シリーズやPixel 9といったAndroid勢に性能面で並ぶ意図を感じさせる。高性能AIを端末で活用するにはRAMの容量が鍵となるため、Appleにとって今回の仕様変更は単なる数字の拡張ではなく、製品の方向性を示すシンボリックな進展とも言える。

Apple Intelligence実行環境としてのRAM強化とその意義

Appleが進めるAI機能「Apple Intelligence」は、従来のクラウド依存型AIとは異なり、可能な限り端末上で処理を完結させる設計となっている。具体的には、自然言語処理や画像解析の一部をiPhone、iPad、Macのローカルで処理し、残りをセキュアな「Private Cloud Compute」に委ねるハイブリッド方式が採用されている。こうした構造を成立させるためには、AIモデルをメモリ上に常時展開できる環境が不可欠であり、これが12GBというRAM拡充の直接的な理由となる。

また、新Siriの刷新を含むインテリジェント機能の充実には、従来以上のデータ処理と同時演算が求められる。iPhone 17では、Aシリーズの次世代チップセットとの連携によって、より高速で効率的なAI実行が可能になるとされている。特にSiriが会話文脈やユーザー行動のパターンを認識し、リアルタイムに応答を返すためには、大容量のRAMが裏側で重要な役割を果たす。

一方で、これらの機能を使わない層にとっても、12GBのRAMはアプリのマルチタスク処理やゲーム性能、UIの滑らかさといった日常的な使用感に好影響を与える可能性がある。つまり、AIを使うか否かに関わらず、このRAM強化は多くの利用シーンに恩恵をもたらす。Appleはこうした幅広い使い方に対応する基盤として、今回の仕様変更を通じてiPhoneの進化を下支えしていくことになる。

Source:TechRadar