AppleのiPhone 16eが、2025年第1四半期においてアメリカ市場でiPhone SE(2022)を大きく上回る販売シェアを記録した。調査機関CIRPのデータによれば、SEの同時期のシェアが1%にとどまったのに対し、A18チップを搭載した16eは7%を占め、他のPlusモデルや旧世代の一部をも凌駕した。
同時に、最上位機種であるiPhone 16 Pro Maxが全体の21%を占めており、16eは新型の中では最も低いシェアとなったが、それでも従来のSE以上の人気を集めている点が注目される。ハード面ではUWBやMagSafe、フルコアGPUを非搭載でありながらも、手頃な価格帯が購買層の支持を集めたと考えられる。
販売成績の背景には、14や15世代との共通筐体や中古価格の影響も絡んでおり、シンプルな構成が選択肢として確実に機能していることを示している。
A18搭載iPhone 16eがSE 2022を圧倒した販売シェアの背景

2025年第1四半期、iPhone 16eはアメリカ市場において販売シェア7%を記録し、わずか1%にとどまったiPhone SE(2022)を大きく上回った。これはConsumer Intelligence Research Partners(CIRP)の最新データに基づくもので、Appleのミッドレンジ機としての立ち位置に変化が起きていることを示している。比較対象となるiPhone 15 Plus(3%)やiPhone 14 Plus(2%)といった過去の上位モデルよりも販売実績が好調である点も注目に値する。
iPhone 16eは、A18チップを搭載しながらもUWBやMagSafe、フルコア構成のApple GPUを省くなど、機能面での絞り込みが行われている。これにより価格帯が抑えられたと見られ、SEシリーズの後継としてより現代的なスペックと価格のバランスが実現された。14と同一の筐体構造を持つ点からも、コスト削減と開発効率の両立が図られていると考えられる。
一方で、16eはiPhone 16シリーズの中では最も販売シェアが低く、通常モデル(20%)やPro Max(21%)に大きく水をあけられている。ただし、価格に対する性能のバランスを重視する層からの支持を集めたことが、旧SEを超える結果に繋がった可能性は高い。
筐体共有と構成の簡素化が市場評価に与えた影響
iPhone 16eは、iPhone 14と基本的な筐体設計を共有しながらも、背面カメラを1基減らすなどして差別化されている。これにより、製造コストを抑えつつも新型モデルとしての魅力を確保したと見られる。実際、14は2025年もなお8%の販売シェアを維持しており、再生品市場では338.20ドルという価格で流通している。こうした状況は、筐体の再利用が新旧モデル間の価格競争力を高める一因となっていると考えられる。
さらに、16eにはMagSafeやUWBといった上位モデルに搭載されている機能が省略されており、構成は非常にシンプルだ。しかし、これがかえって過剰な機能を求めないユーザーの購買動機につながった可能性がある。Apple GPUの全コア非搭載である点も、高負荷なゲームやプロ用途を前提としない層にとっては特に問題とはならない。
このように、16eの設計思想は、ハイエンド機とは異なる層に向けた最適化を示唆しており、その判断が一定の市場成果を上げたことは評価できる。ただし、構成の簡素化が長期的なブランド価値にどう影響するかは、今後の動向を見極める必要がある。
Source:NotebookCheck