ソニーの次期フラッグシップ機「Xperia 1 VII」の実機写真が、台湾の認証機関NCCを通じて初めて明らかになった。スマホダイジェストが報じた写真は過去のレンダリング画像と一致しており、背面には3眼カメラとともにExmor-Tセンサーが中央のみに搭載されている可能性が浮上している。

モデル番号は「XQ-FSxx」とされ、サイズは前世代比で縦方向にやや拡大。カラーバリエーションにはパープルが含まれており、2019年のXperia 1以来の復活が示唆される。未発表ながらSnapdragon 8 Eliteの搭載が期待されるなど、今後のスペック公開に対する関心も高まっている。

実機写真から判明したXperia 1 VIIの外観と設計上の特徴

出典:スマホダイジェスト

台湾のNCCに提出されたXperia 1 VIIの実機画像により、本機のデザインや寸法が明らかとなった。画像からは、背面に3基のカメラが垂直に並ぶ構成であることや、自撮りカメラが前面の非中央に配置されていることが確認される。

側面や背面の処理は前モデルXperia 1 VIを踏襲しており、従来の筐体デザインの延長線上にあることがうかがえる。なお、3.5mmイヤホンジャックの継続搭載も認められ、ソニーの音響重視姿勢が維持されている。

本体サイズは165mm×74mmとされ、Xperia 1 VIの162mm×74mmに比べて縦方向に3mm拡大している。幅が変わらない点を考慮すれば、片手での保持感に大きな変化はなく、既存ユーザーの使用感も損なわれない設計といえる。カラーバリエーションはパープル、ブラック、ネイビーグリーンの3色で、中でもパープルは初代Xperia 1以来の復活とされ、視覚的な個性を再び前面に押し出す戦略が見て取れる。

このように、今回の実機画像は、これまでレンダリングで推測されていた要素を裏付ける形となったが、仕様全体の判断は引き続き慎重を要する。設計の変化は最小限に留められており、従来のユーザー層を意識した戦略的選択と解釈できる。

カメラ構成とセンサー仕様から読み解くソニーの製品差別化方針

Xperia 1 VIIの背面カメラには3つのレンズが確認されており、そのうち中央のメインカメラにのみExmor-Tセンサーが搭載されている可能性が指摘されている。過去の噂では全レンズに同センサーを適用するとの見方もあったが、今回の画像に基づけば、その構成は限定的であるとみられる。これはハードウェアコストの最適化や、用途別にセンサーを選別する設計思想を反映している可能性がある。

Exmor-Tは積層型トランジスタピクセル技術を採用した高感度センサーであり、これをメインカメラのみに採用することで、日常的な撮影品質を優先する一方で、他の2基のレンズには差別化を図った構成が意図されていると解釈できる。また、過去のソニーモバイルの方針を鑑みるに、ハイエンドカメラ機能を一部に集中させることは、写真・動画撮影の主軸を明確にする設計手法として一貫性がある。

現段階では正式な技術仕様が明かされていないため、確定的な判断は避けるべきであるが、同社が限られた構成で最適な性能を引き出す方向に注力しているとすれば、全方位型のスペック競争から一歩引いた製品戦略の一端と見ることもできる。カメラの選定における重点化は、今後のマーケティングメッセージにも影響を及ぼす可能性がある。

Source:スマホダイジェストAndroid Authority