MicrosoftはWindows 11のCanaryチャネル向けに提供したプレビュービルド27842において、ブルースクリーン・オブ・デス(BSOD)の新デザインを導入し、広範なテストを開始した。
従来の顔文字やQRコードを廃し、極めてミニマルな構成へと変更されたこの画面は、システムクラッシュの原因を簡潔に提示することを目的としている。現在の緑色の画面はプレビュー版特有の仕様であり、正式版では黒色など別の配色が採用される可能性もある。
この新BSODは、Windows 11のエラーメッセージ体験を刷新する意図のもとに設計されており、より簡素かつ情報に特化したUIで再起動時の混乱を減らす狙いがある。ただし、進捗パーセンテージ表示や簡潔すぎるビジュアルにより、更新プロセスとの混同を招く懸念も残る。DevやBetaを含む複数のテストチャネルで展開されていることから、比較的早い段階での正式採用も視野に入っている。
新BSODがCanaryチャネルで本格テスト Microsoftが顔文字とQRコードを廃止

Microsoftは、Windows 11のプレビュービルド27842において、従来のブルースクリーン・オブ・デス(BSOD)の視覚表現を抜本的に見直した新UIのテストを開始した。変更点として最も顕著なのは、長年親しまれてきた顔文字「:(」やQRコードの削除であり、これに代わって中央に簡潔なエラーメッセージ、下部にストップコードと障害要因の情報が表示される構成が採用されている。
テスト中の画面色は緑だが、これはあくまでCanaryチャネル特有のものであり、最終的な実装時には黒など別の色に変わる可能性がある。Microsoftはこのデザインを「予期せぬ再起動」時の混乱を軽減するための改良と位置付けており、既にDevおよびBetaチャネルにも段階的に展開されている。
顔文字の廃止により、エラー発生時の直感的な視認性が損なわれる可能性がある一方で、QRコードについては有効活用されていなかった現状から見れば、合理化とも言える。UIの簡素化によってユーザーの集中力が分散せず、ストップコードに注意が向くよう意図されていると考えられる。
ただし、ミニマルなレイアウトが再起動画面との混同を生む懸念もあり、実装の是非については一定の議論が続く見込みである。今回の変更がRelease Previewを含むすべてのテストチャネルに広がる中で、正式リリースに至るまでのユーザーフィードバックが成否を左右する可能性がある。
Windows 11におけるUI刷新の意義と課題 ユーザー体験と混乱リスクの両立をどう図るか
Microsoftが今回導入を進める新しいBSODの設計方針には、近年のWindows開発における「過剰な情報の排除」と「情報提示の最適化」という2つの潮流が色濃く反映されている。顔文字やQRコードといった感情的・視覚的要素を排し、機能面に特化したレイアウトは、UIデザインの現代的なトレンドに沿った選択と言える。
一方で、進捗パーセンテージなどの要素がアップデート時の画面と酷似していることから、クラッシュ時の画面であることに気付かず再起動を待つユーザーが現れる可能性も指摘されている。視認性と直感性を同時に追求する必要がある点で、この変更は両刃の剣となり得る。
Microsoftがこの刷新に際して、既に削除済みだった新しいバッテリーアイコンの再展開や、Pluton TPMチップの情報表示といった細部にも手を加えている点からも、UI全体の再構築を進めている様子がうかがえる。
しかしながら、これらの要素が一貫性を欠いたまま導入された場合、ユーザーの混乱や信頼性の低下につながる懸念も残る。正式リリース前に包括的なユーザーテストとフィードバックの反映が求められ、単なる視覚表現の変更にとどまらない設計思想の再検証が必要とされている。Microsoftの目指す「より直感的なWindows」の実現には、UI表現と機能性との綿密なバランス調整が不可欠である。
Source:TweakTown