Intelは2025年4月23日、ArcおよびIris Xeグラフィックス向けの「Game On」ドライバーをバージョン32.0.101.6737に更新し、Bethesdaの話題作『The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered』を正式にサポート対象に加えた。本対応には、低価格帯のArc B570やB580を含むBattlemageシリーズのほか、Alchemist世代のA750やA580、さらにMeteor LakeおよびLunar Lake世代のCore Ultra統合GPUも含まれる。

新ドライバーはまた、RPG『Clair Obscur: Expedition 33』にも最適化されており、Game Passユーザーに向けた施策も強化されている。加えて、未発売の『Infinity Nikki』に関しては、DirectX 12環境下で1080pおよび1440pウルトラ設定時のパフォーマンスが最大7%改善されるとの報告もある。今回のアップデートは、Arc GPUの普及を狙うIntelの戦略を象徴する一手といえる。

Oblivion Remastered正式対応によりArc GPUのゲーム適性が拡大

Intelは2025年4月23日、ArcおよびIris Xe向け「Game On」ドライバーの最新版32.0.101.6737を公開し、Bethesdaの新作『The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered』への対応を明らかにした。

これにより、Battlemage世代のArc B570およびB580、Alchemist世代のArc A750およびA580など、エントリーからミドルレンジ帯のGPUがこの話題作を動かす環境を整えることとなった。対応範囲にはCore Ultra Series 1および2に搭載された統合GPUも含まれるが、ゲームの推奨スペックを踏まえると、統合GPUによるプレイには性能的な制約があるとみられる。

Oblivion Remasteredは、ベセスダが手がけた2006年発売の名作を現代的に再構築したタイトルであり、再リリースにあたっては高精細化されたグラフィックと快適なプレイ体験が求められる。

こうした要求に対して、Arc GPUの最新対応は、同シリーズの普及促進に一定の追い風をもたらす可能性がある。ただし、同タイトルは高性能な構成でもカクつきが生じているという報告もあり、Bethesda側のパッチ対応が今後の課題となる見通しである。

新興タイトルへの対応強化によりIntelのGPU戦略が多層化

今回のドライバー更新では、Oblivion Remasteredだけでなく、ハイブリッド型RPG『Clair Obscur: Expedition 33』もサポート対象に加えられた。

後者はターン制とアクション性を融合させた設計が高く評価されており、Game Pass上でも注目度が上昇している。Intelがこの作品を明示的に対応タイトルに含めたことは、ハイエンドゲームと並行して中堅・独立系タイトルへの最適化も視野に入れている姿勢を示す。

さらに、未発売の『Infinity Nikki』に関しては、DirectX 12環境下において1080pおよび1440pのウルトラ設定時に、それぞれ最大7%および5%のFPS向上が報告されている。タイトル自体はまだSteam上で「近日公開」の状態であるが、このような事前対応は、Intelが今後の市場競争を見据えた布石としているとも解釈できる。

対応ドライバーの対象を戦略的に多様化させることで、従来NVIDIAやAMDが独占してきたゲーミング分野における立ち位置を着実に模索している様子がうかがえる。

Source:Windows Central