AppleのAirPods Maxは2020年の登場以来、プレミアムヘッドフォン市場で存在感を保ってきた。2025年モデルではUSB-Cポートの採用と24ビット48kHzロスレスオーディオ対応が実現し、音質面での大幅な向上が注目されている。

一方で、549ドルという高額な価格や、重量感による装着時の負担、付属ケースの使い勝手への不満点も指摘されており、競合機種と比較して慎重な検討が求められる。Appleエコシステムとの連携を重視する層には依然として魅力的な選択肢となり得るが、購入判断はニーズに応じた見極めが必要となりそうだ。

USB-C対応とロスレスオーディオで進化した音質

AirPods Maxは、USB-Cポートの採用と24ビット48kHzロスレスオーディオへの対応によって、音質面で大きな進化を遂げた。これにより、スタジオ品質に近いサウンド体験が可能となり、特に音楽制作や高音質再生を重視する層にとって魅力的な選択肢となっている。さらに、超低遅延も実現しており、ゲームプレイや動画編集においても音ズレを気にせず利用できる点は特筆に値する。

一方で、これらの恩恵はUSB-Cモデルに限定されるため、旧型Lightning版では享受できない点には注意が必要である。旧モデルの購入を検討する場合、性能面でのギャップをあらかじめ把握しておくべきだろう。最新技術の導入は歓迎すべき動きだが、すべての既存ユーザーに公平なアップデートが提供されていない点にはやや割り切れなさも感じる。

デザインの高級感と快適性に対する賛否両論

AirPods Maxは、アルミニウム素材のイヤーカップやメッシュキャノピーを採用し、外観・質感ともに極めて高級感のある仕上がりとなっている。交換可能な磁気式イヤーパッドもメンテナンス性に優れており、日常使いの利便性が高い。ただし本体重量は他社製品と比較して重く、長時間使用時の疲労感については一部で指摘がある。

高級感と耐久性を重視する設計は評価できるが、快適さを最優先に求めるユーザーにとってはデメリットとなる可能性がある。携帯性や長時間リスニングを重視する場合、より軽量なBose QC45やSony WH-1000XM5といった代替モデルも視野に入れるべきだろう。デザイン性だけでなく、実用面でのバランスも慎重に見極めたいところである。

高額な価格設定と代替モデルとの比較検討

AirPods Maxは、549ドルという高額な価格設定が大きなハードルとなっている。同価格帯では、優れたノイズキャンセリング性能と音質を備えたBose QC45やSony WH-1000XM5が競合し、しかもこれらはより手頃な価格で購入できることから、コストパフォーマンス重視の選択肢として注目されている。

価格に見合う価値を見出すには、Appleエコシステムとの連携機能をどれだけ重視するかが重要なポイントとなる。iPhoneやMacなどApple製品を多数所有している場合、デバイス間のシームレスな切り替えや空間オーディオ機能によって日常体験が格段に向上する可能性がある。しかし、単体のオーディオ性能やノイズキャンセリングのみを求めるなら、他社製品の方が合理的な選択となり得る。

Source：Geeky Gadgets