サムスンは2025年、Galaxy Tabシリーズを大幅刷新する。ベースモデルのGalaxy Tab S11、ハイエンド志向のGalaxy Tab S11 Ultra、コスト重視のGalaxy Tab S10 Liteの3モデル体制となり、Plusバリアントは廃止される。特にGalaxy Tab S11 UltraはMediaTek Dimensity 9400チップを採用し、従来のSnapdragon依存から脱却を図る動きが注目される。

一方で、初期ベンチマークではSnapdragon 8 Eliteに劣る可能性が指摘されており、性能面での懸念も残る。さらに、One UI 8搭載による操作性向上や、トライフォールドコンセプトデバイスの開発にも取り組んでおり、イノベーションと実用性の両立を目指す姿勢が鮮明である。

Galaxy Tab S11 Ultraが示すDimensity 9400採用の意図とその影響

Galaxy Tab S11 Ultraは、サムスン初のMediaTek Dimensity 9400チップセット搭載タブレットとなる見込みである。これまでSnapdragonシリーズに依存してきた流れを大きく転換し、パフォーマンスとコストのバランスを新たに模索する動きが明らかになった。約1,200ドルでの販売が予定されており、プレミアム市場においてもMediaTek製チップを採用する選択が注目を集めている。

ただし、Dimensity 9400は初期ベンチマークでSnapdragon 8 Eliteに性能面で及ばない可能性が示唆されている。特に生のパワーやエネルギー効率において差がある点は、AppleのMシリーズ搭載iPadと直接競合するうえで無視できない要素となる。それでもハードウェアの多様化を進める方針は、サムスンが市場変化に柔軟に対応しようとする姿勢を物語っている。

このチップセット変更により、パフォーマンス一辺倒ではなく、バッテリー効率や熱管理といった実用面での最適化に焦点を当てた可能性も考慮すべきである。Dimensity 9400採用は、サムスンが単なるハイエンド志向ではなく、総合的なユーザー体験を重視し始めた兆しと捉えることもできる。

シリーズ構成変更とOne UI 8搭載がもたらす新たなタブレット体験

サムスンはGalaxy Tab S11シリーズで、従来のPlusモデルを廃止し、ベースモデル、Ultraモデル、Liteモデルという三本柱に再編成した。この変更により、モデル間の違いが明確になり、購入時の選択肢が直感的になったことは大きな特徴である。特にベースモデルとUltraの区別が強調されることで、一般層とパワーユーザー層のニーズをそれぞれ的確に捉えようとする意図が読み取れる。

さらに新たに搭載されるOne UI 8は、天気アプリの刷新やマルチタスク性能向上など、日常利用での利便性を高める改良が加えられている。加えて、2025年初頭にはOne UI 8.5へのアップデートも予定されており、カスタマイズ性やエコシステム連携がさらに強化される見込みである。これにより、タブレット単体の体験だけでなく、スマートフォンやPCとの連携を重視する利用スタイルが一層推進される可能性がある。

今回のシリーズ構成見直しとソフトウェア進化の組み合わせは、単なるスペック向上以上に、利用者一人ひとりの使い方に寄り添う方向へと舵を切ったと見るべきである。選びやすさと使いやすさを両立させるこの変化は、タブレット市場での存在感拡大に寄与するだろう。

Source:Geeky Gadgets