Nvidiaは、8GBのGDDR7 VRAMを搭載した新型GPU「RTX 5060」を299ドルで5月19日に発売する見込みであり、前世代モデルと同価格ながら性能向上をうたう。しかし、Founders Editionの不在によりサードパーティ製品が市場に流通することとなり、近年の傾向から実売価格が大きく上振れする可能性が指摘される。
加えて、8GBというメモリ容量が現代ゲームの要求水準に達していない点も懸念材料であり、仮に価格が高騰すれば、予算重視のゲーマー層の支持を得ることは難しくなるだろう。
RTX 5060は予算重視ゲーマー向けに設計されるも、VRAM容量と市場価格が課題に

NvidiaのRTX 5060は、5月19日に299ドルで発売予定とされ、前世代のRTX 4060と同等の価格帯を維持する見込みである。新たにGDDR7メモリを採用し、8GBのVRAMを搭載することで、パフォーマンスの向上が期待されている。しかし、近年のAAAゲームタイトルはより多くのVRAMを要求しており、8GBでは十分な体験を提供できないケースが増えている。
RTX 5060 Tiの16GB版が注目を集める背景にも、この事情が色濃く反映されている。さらに、Founders Editionが用意されない場合、消費者はサードパーティ製のパートナーカードに頼らざるを得なくなる。現在のGPU市場では、サードパーティ製カードの価格が標準価格を大幅に上回る事例が頻発しているため、RTX 5060も同様の運命を辿る可能性は否定できない。
RTX 5060が本来ターゲットとする予算重視層にとって、価格と性能のバランスが崩れることは致命的な障害となり得る。このカードが成功を収めるためには、十分な在庫供給と、価格の適正な維持が不可欠であると考える。
特に、競争が激化するエントリーレベル市場においては、価格優位性を失うことは致命傷となる。現状のスペックと市場動向を踏まえると、RTX 5060の立ち位置は極めて不安定であると言わざるを得ない。
サードパーティ市場での価格高騰がRTX 5060の魅力を損なう懸念
現在、RTX 5070 TiやRTX 5080といった上位モデルでさえ、サードパーティ市場において価格高騰が常態化している。これらのモデルは4Kゲーミングにも対応する高性能GPUであるが、それでも想定価格を大幅に超える販売が確認されている。
エントリーモデルに位置づけられるRTX 5060が同様の価格上昇に見舞われた場合、コストパフォーマンスを重視する層の需要を大きく損なうことになる。特に、RTX 5060はデスクトップ向けRTX 5000シリーズの中でも最も低スペックになる可能性があり、性能に見合わない価格上昇は支持を得にくい。
Founders Editionが存在しない場合、サードパーティ製品に依存せざるを得ないため、価格競争が働きにくい構造となる。この点は、消費者にとって大きなリスク要因である。現在の市場動向を見る限り、RTX 5060の発売後には価格設定を巡る混乱が予想される。
予算重視のゲーマーにとって、手頃な価格で性能を確保できるという期待が裏切られる展開になれば、信頼回復は容易ではないだろう。市場の価格調整メカニズムが機能するか否かが、このモデルの命運を大きく左右すると言える。
Source:TechRadar