ギガバイトは、RTX 50シリーズおよびRadeon RX 9000シリーズGPUで報告されたサーバーグレード熱伝導グリスの漏れについて、性能や耐久性に影響はないと強調し、今後のバッチではグリスの量を調整したと発表した。

従来の熱伝導パッドに代わり使用されたグリスは、完全自動化されたプロセスで適用されており、人為的なばらつきもないと説明されている。一部初期生産品ではグリスの過剰塗布が原因で漏れが見られたが、ギガバイトは縦向き・横向き両方の取り付け状況で包括的なテストを実施し、懸念を払拭する姿勢を示している。

ギガバイト、熱伝導グリス漏れ問題に対する公式見解と対応策

ギガバイトは、RTX 50シリーズおよびRadeon RX 9000シリーズGPUに採用しているサーバーグレード熱伝導グリスの漏れに関して、性能や信頼性に悪影響はないと正式に表明した。同社は、自社ニュースページにて、グリスの適用は完全自動化された工程で行われており、従来の熱伝導パッドに比べて均質な品質が保たれていると説明している。

漏れが報告されたのは初期生産バッチに限られ、適切なカバー率を確保するためにグリスの量がわずかに多かったことが原因とされている。ギガバイトは、縦向き・横向きいずれの取り付け条件においても包括的なテストを実施し、最大150度セルシウスに達するまでグリスが液状化しないことも検証済みであると強調した。

今後の製品においては、塗布量を最適化することで漏れのリスクを低減していく方針を明らかにしている。一方で、過去に報告された事例では、Aorus RTX 5080 Master Iceといったプレミアムモデルにおいても、PCB方向にグリスが漏れたケースが存在する。

電気伝導性のないグリスであるため重大なショートは起きないとされるが、長期使用に伴う影響については引き続き注視が必要となる可能性がある。

サーバーグレード熱伝導グリス採用の意義と潜在的な課題

ギガバイトがRTX 50シリーズおよびRadeon RX 9000シリーズGPUでサーバーグレード熱伝導グリスを採用した背景には、VRAMやMOSFETの冷却性能を高め、製品全体の信頼性向上を図る意図がある。このアプローチは、従来の固体熱伝導パッドに起因するバラつきや熱伝導効率の課題を回避し、製造工程の安定性を確保する利点を持つ。

完全自動化プロセスにより、個体差の影響を最小限に抑えた点も評価に値する。しかしながら、適量を超えるグリス塗布によって生じた漏れは、外観上の不安をユーザーに与える結果となった。たとえ性能や寿命に直接的な悪影響がないとしても、高額なGPU購入層にとっては見た目の異常が信頼感を損なうリスクも内包する。

ギガバイトが今回迅速に対応を打ち出した点は評価できるものの、今後は単なるスペック上の優位性だけでなく、ユーザー体験全体への細心の配慮が一層求められることになろう。

Source:NotebookCheck.net