Nasdaq, Inc.(ティッカー:NDAQ)は2025年第1四半期決算において、フリーキャッシュフローが前年同期比27%増の6億7400万ドルに達したと発表した。同時に配当を13%引き上げ、利回りは過去平均を上回る1.44%に達した。株価は75.09ドルと直近高値を下回る水準にあり、各種バリュエーション指標からは20%以上の上昇余地が示唆されている。

高いフリーキャッシュフローマージンと増配を背景に、Nasdaq株は割安感が際立つ状況にある。ただし、今後の株価上昇は確実ではなく、リスク管理を考慮したOTMプットのショート戦略が一つの選択肢となる可能性がある。

Nasdaqのフリーキャッシュフロー成長と配当増額が示す割安評価

Nasdaq, Inc.(ティッカー:NDAQ)は、2025年第1四半期においてフリーキャッシュフロー(FCF)を前年同期比27%増の6億7400万ドルと報告した。売上高12億3700万ドルに対するFCFマージンは約55%に達し、極めて高い収益性を示している。加えて、取締役会は年間配当を13%引き上げ、1株当たり1.08ドルと決定した。これにより現行株価ベースでの予想配当利回りは1.44%となり、過去5年間の平均利回り1.33%を上回る水準にある。

また、売上高見通しに対して同様のFCFマージンを適用すれば、次期フリーキャッシュフローは28億4000万ドルに到達する可能性が指摘されている。これにより、NDAQ株価は理論上122ドルへ上昇しうる計算となる。さらに、予想株価収益率(PER)に基づく目標株価も90.89ドルと算出されており、複数の観点から現在の75.09ドルという株価は割安と捉えられる状況にある。

一方で、これらの成長指標が直ちに株価上昇を保証するものではないことには留意が必要である。市場環境や金利動向次第で株価推移は変動し得るため、慎重な判断が求められる。


FCFマージンと配当利回りから見たNDAQの潜在的上昇余地

Nasdaqの第1四半期決算において、売上高に対するフリーキャッシュフロー比率は55%に達した。この水準はS&P500平均を大きく上回るものであり、Nasdaqの高収益体質を際立たせる要素となっている。特に、安定的な定期収益基盤を持つNasdaqにとって、高いFCFマージンは今後の成長原資を潤沢に確保できる強みとなる。

また、増額された配当は、現行株価に対して年換算1.44%の利回りを提供しており、過去平均を上回る水準にある。このため、仮に平均配当利回りに収束するだけでも株価には約10%超の上昇余地が見込まれる試算が成り立つ。さらに、複数のバリュエーション手法を用いた場合、ターゲット価格は最大122ドルに到達し得るとされる。

しかしながら、予測に基づくターゲット価格は確定的なものではない。市場全体のセンチメントや個別の業績変動に応じ、想定通りに株価が推移しない可能性も排除できない点は慎重に捉えるべきである。


OTMプットショート戦略によるリスク限定型のNDAQ投資アプローチ

現状のNDAQ株は割安評価がなされる一方で、市場変動リスクを考慮したポジション構築も求められる。この記事では、具体策としてアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)プットショート戦略が提案されている。例えば、5月16日満期の72.50ドルストライクプットをショートすれば、即座に1.17%の収益を確保でき、株価が同水準を下回らない限り利益が確定する仕組みとなる。

また、75.00ドルストライクのプットをショートする場合、2.33%の収益を得ることが可能であり、仮に株価が下落しても損益分岐点は73.25ドルと現行株価より2.76%低い地点に位置づけられる。このように、リスクを限定しつつ収益機会を狙うアプローチは、NDAQに対する強気見通しを持ちながらも慎重な姿勢を取りたい投資家に適した選択肢となる。

もっとも、プットショート戦略自体にも市場急落リスクが伴うため、適切な証拠金管理とリスク許容度の見極めが不可欠である。

Source:Barchart