Nvidiaの最新GPU「RTX 5060」の発売日が5月19日とリークされた。AMDの「RX 9060 XT」が5月18日に登場予定であり、両製品は価格帯も299ドル前後で競合する見通しとなっている。RTX 5060は、前世代比でCUDAコアが25%増加し、メモリ帯域幅も向上する一方で、VRAMは8 GBのままである。
性能向上にもかかわらずVRAM容量の据え置きは、RTX 4060 Ti同様に市場から批判を受ける可能性が指摘される。AMDがRX 9060 XTの価格戦略を維持すれば、Nvidiaにとって厳しい局面となることも予想される。
RTX 5060とRX 9060 XTがほぼ同時期に市場投入 激化する価格帯競争

Nvidiaは、RTX 5060の発売日を5月19日とする情報をAIBパートナーに伝達したとされる。これに対し、AMDのRX 9060 XTは5月18日に登場する予定であり、わずか1日違いでの市場投入となる。両GPUはともに8 GB VRAMを搭載し、価格帯も299ドル前後に設定される見込みである。このため、直接的な競合が避けられない状況となっている。
過去の事例では、同価格帯での競争がブランド間のシェア争いを過熱させてきた歴史がある。今回も例外ではなく、価格と性能のわずかな違いが消費者選択に大きな影響を与えると考えられる。特にRX 9060 XTの8 GB版が269ドルからの価格設定で登場すれば、Nvidiaにとって厳しい戦局となる可能性がある。
RTX 5060はスペック強化もVRAM据え置き 高性能志向層の支持獲得に課題
RTX 5060は前世代比でCUDAコア数が25%増加し、メモリ帯域幅も向上している。しかし、VRAM容量は8 GBに据え置かれており、昨今のゲームタイトルにおける要求仕様を踏まえると、不安材料となり得る。RTX 4060 Tiの8 GB版が市場で批判を浴びた経緯を踏まえると、同様の懸念が再燃する可能性は否定できない。
近年のミドルレンジ市場では、10 GB以上のVRAMを求める声が高まっている。RTX 5060がコストパフォーマンス重視のゲーマー層には一定の魅力を持つ一方、最新ゲームを高設定で快適に動かしたい層には物足りなさが残るだろう。この点が、発売後の市場評価を左右する重要な要素となるとみられる。
市場シェア確保の鍵は供給体制と価格設定 予算志向ゲーマーの取り込みを目指す動き
RTX 5060の成功可否は、単なるスペックや価格だけでは決まらない。過去のRTX 4060の事例では、供給量の不足や価格改定によるイメージ低下が販売に影響した経緯がある。今回、Nvidiaが供給体制を強化し、適正な価格維持に努めるかどうかが重要な分岐点となる。
特に予算を重視するゲーマー層に向けて、入手しやすい価格と安定した供給を実現できれば、競合製品との差別化を図ることができる。ただし、AMDが積極的な価格攻勢を仕掛けてくる場合、Nvidiaの市場戦略は柔軟性が求められる局面を迎えるだろう。慎重な価格設定と販促施策が求められる局面である。
Source:NotebookCheck.net