AMDが開発中とされるRX 9070 GREグラフィックスカードについて、これまで2025年末まで発売が遅れるとの噂が流れていたが、新たにPowerColor製品の完成品とされる写真が流出したことで、年内リリースの可能性が浮上した。
リークされた写真には、Red DevilとReaperという2モデルが確認され、12GBのビデオメモリ搭載が明記されている。これは既存のRX 9070モデルに比べて容量が少ないが、以前から指摘されていた仕様とも一致する。ただし今回のGREモデルは、過去の事例に倣い、まずアジア市場限定で展開される可能性が高いと見られており、グローバル展開については依然不透明である。
RX 9070 GREの実機写真が流出 完成度の高さが発売間近を示唆

PowerColor製のRX 9070 GREとされるグラフィックスカードの実機写真がVideoCardzによって公開された。確認されたモデルはRed DevilとReaperの2種であり、製品の箱とカード本体の両方が鮮明に写されている。特に注目すべきは、パッケージに「12GB GDDR6メモリ搭載」と明記されていた点である。
これは既存のRX 9070(16GB)モデルよりもVRAM容量が4GB少ない仕様であり、従来の噂と一致する。さらに、GPUコア数も3,072基とされ、RX 9070の3,584基、RX 9070 XTの4,096基よりも抑えられていると伝えられている。クロックスピードに関しては、2.8GHz程度のブーストクロックが見込まれており、既存2モデルの中間に位置する可能性が指摘されている。
このように、スペック情報が具体的な形で示されつつある現状は、リリース準備が最終段階に入っていることを示唆している。もっとも、リークされた情報が全て正確である保証はなく、現段階では写真の信憑性も含めて慎重に受け止めるべきである。ただ、完成品とみられる実物写真が存在する以上、開発が順調に進行していると考えるのが自然である。
年内リリース説を裏付ける要素と発売地域の限定的な可能性
AMDがRX 9070 GREの発売を2025年末まで延期するという観測も一部に存在していたが、今回の完成品写真流出により、この説には疑問符が付いた形である。通常、製品パッケージや本体が完成している段階に至れば、遅延要因がなければ数カ月以内の発売が想定されるからである。
特にPowerColorのようなパートナー企業が販売準備を整えているとすれば、AMD側のリリースプランも最終局面にある可能性が高い。一方で、VideoCardzの報告によれば、RX 9070 GREは他のGREモデル同様、初期リリースがアジア市場限定となる可能性が高いとされる。
過去にもGREバリエーションはまず中国市場向けに展開され、その後徐々に他地域に拡大された経緯があるが、今回も同様の流れをたどるかは不透明である。したがって、グローバル市場における入手性については、慎重な観測が必要といえる。
供給体制や市場需要次第では、海外展開までに長期間を要する可能性もあり、特にVRAM容量が抑えられた本モデルがどれほどの競争力を発揮できるかは、発売後の評価に委ねられることになる。
GREモデル戦略の意義とRX 9070シリーズの今後
RX 9070 GREは、VRAM容量やコア数を抑えることで価格帯を調整し、より広範なユーザー層を狙う戦略モデルとみられる。これまでの情報から推察するに、RX 9070やRX 9070 XTの性能水準には及ばないものの、コストパフォーマンスを重視する市場セグメントに向けた提案となるだろう。
特に、3,072基というコア数と12GBメモリ仕様は、WQHDゲーミングや高負荷ではないクリエイティブ用途に適したバランス型GPUを志向していると受け取れる。また、今回のGRE投入により、同時に噂されている「Ultimate Navi 48」なる上位版GPUのリリース計画にも注目が集まる。
もしAMDがこれを投入するならば、RX 9070シリーズ全体をハイエンドからミッドレンジまで広くカバーする布陣が完成することになる。これにより、NVIDIAに対する競争力を一層強化する意図があると考えられる。
ただし、AMDが市場全体で成功を収めるためには、製品の性能バランスのみならず、供給網の整備と価格設定の最適化が不可欠であり、特にGREモデルに関しては価格面での魅力が成否を左右する可能性が高い。
Source:TechRadar