Google Pixel 9aは、5,100mAhというシリーズ最大容量のバッテリーを搭載し、価格499ドルながらPixel 9を超えるスタミナを一部テストで示した。ウェブブラウジングや4K再生ではPixel 9を上回る持続時間を記録し、日常的な使用において大きな改善が確認されている。

一方で、4K録画やZoom通話、ゲーミングではPixel 9に劣る結果となり、用途によっては期待通りの性能が得られない可能性も浮かび上がった。原因としては、古いExynosモデムやP-OLEDディスプレイの影響が指摘されている。

全体としてPixel 9aは、Aシリーズ史上最高レベルのバッテリー持続時間を実現しており、特にウェブ中心の使い方を重視するユーザーにとっては大きな魅力となりそうだ。

Pixel 9aのバッテリー性能を実測 ウェブブラウジングでPixel 9超えを達成

Pixel 9aは5,100mAhというAシリーズ最大級のバッテリーを搭載し、実際のバッテリードレインテストでも大きな成果を示した。特にウェブブラウジングでは、Pixel 8aに対して18.5%の持続時間向上を記録し、Pixel 9に対しても11.1%上回る結果を出している。また、4K再生ではPixel 9よりも106.3%も長く持続しており、この分野では大幅な改善が見られた。通常のコンテンツ消費やウェブ利用を重視する場合、Pixel 9aのバッテリー性能は日常的な使用で大きな安心感を与える要素となる。

一方、バッテリー容量が増加したとはいえ、すべての使用シナリオでPixel 9を上回るわけではない。特にZoom通話ではPixel 9に対して18.2%短く、ゲーミングにおいても20%劣る結果となった。このため、Pixel 9aは用途によってバッテリー持続時間に差が生じるモデルであることが分かる。ウェブ閲覧や動画視聴が中心の使い方に向いているという評価が妥当であり、万能型というよりは特定のスタイルに最適化された存在といえるだろう。

バッテリー以外の設計がもたらす持続時間への影響

Pixel 9aのバッテリー性能は単なる容量増加だけでは説明できない要素が絡んでいる。9aにはPixel 9と同じTensor G4プロセッサが搭載されているが、モデムには古いSamsung Exynos 5300が採用されており、ネットワーク関連タスクでの効率性に影響が出ていると考えられる。この設計が、Zoom通話時のバッテリー消耗に悪影響を及ぼしている可能性が示唆されており、最新フラッグシップと同列に扱うことが難しい理由のひとつとなっている。

また、ディスプレイにも明確な違いが存在する。Pixel 9aではコスト削減のためP-OLEDパネルが使われており、Samsung製のOLEDパネルを搭載するPixel 9に比べてリフレッシュレートや輝度効率にわずかながら劣る。これらの差異が日常のバッテリー消費に積み重なり、特にビデオ再生やウェブ閲覧といったシーンで持続時間に影響を与えていると推測される。ハードウェアの選択がバッテリーライフに微妙な揺らぎをもたらしている事実は、購入時の検討材料として無視できない。

Pixel 9aはシリーズ史上最高の持続力を誇るが万能ではない

Pixel 9aは、Aシリーズとして過去最大のバッテリー容量を搭載し、実使用においてもシリーズ最高のバッテリーライフを記録したことは間違いない。ウェブタスクで約10時間、コンテンツキャプチャで6時間超というスクリーンオンタイムは、昨年のPixel 8aを大きく上回り、多くの一般的な使い方で一日中安心して利用できる水準に達している。この改善により、日常的な充電回数を減らすことが期待でき、使い勝手の向上に直結する利点となっている。

しかし、用途を選ばない万能型とは言い切れない現実もある。4K録画やZoom通話、ゲーミングではPixel 9に対して明確に劣る結果となっており、ハードなマルチメディア用途には向かない可能性がある。また、ハードウェア構成の違いやソフトウェア最適化の影響もあり、単純なバッテリー容量の大小だけでは測れない複雑な側面を持っている。総合的に見れば、Pixel 9aは軽量な作業中心の使い方に適したバランス型モデルという評価が妥当だろう。

Source:Android Authority