インテル(ティッカー:INTC)の株価が第1四半期決算発表を受けて急落し、4月25日午後には一時10%超下落、終値でも約7%の下落率を記録した。売上高と利益は市場予想を上回ったものの、経営陣が示した第2四半期ガイダンスは減収と利益低下を予測し、短期的な業績不安が広がった。

加えて、マクロ経済環境の不透明感やファウンドリー事業の損失継続が懸念材料となり、台湾積体電路製造(TSMC)との提携期待も具体化しなかったことが市場心理を冷やした。成長期待銘柄から外れたとの見方が、インテル株への売り圧力を一段と強めた。

インテル第1四半期決算は市場予想超えもガイダンス弱含みが影を落とす

インテル(ティッカー:INTC)の2025年第1四半期決算は、売上高126億7000万ドル、非GAAPベースの1株当たり利益0.13ドルと、ウォール街予想(売上高123億ドル、利益0.01ドル)を大きく上回った。しかし、同時に示された第2四半期の売上ガイダンス中央値は118億ドルとされ、前期比で約7%減少する見込みである。さらに、利益見通しもブレークイーブン目標を大きく下回り、アナリストの予想(1株当たり0.06ドルの利益)を下回る水準で示された。

これらの弱い将来見通しは、第1四半期の好業績の意義を薄れさせ、市場の失望を招いた。加えて、貿易戦争の影響やマクロ経済の不透明感が、顧客の注文前倒しを引き起こした可能性が指摘されている。このため、短期的な業績安定性への懸念が一段と強まり、投資家心理を冷え込ませた。結果、発表当日はインテル株が一時10%超下落し、終値でも約7%安となった。

ファウンドリー戦略の不確実性とTSMCとの協業交渉が市場に与えた影響

インテルの第1四半期決算説明会において、CEOのリップ・ブー・タン氏は、台湾積体電路製造(TSMC)関係者とファウンドリー事業に関する協業の可能性について会談したことを明らかにした。報道によれば、TSMCがインテルの製造施設支援のため20%出資する新会社設立案も浮上していたが、具体的な進展や合意には至らなかった。タン氏も大規模な新規パートナーシップの進展を示唆する発言は避けた。

インテルのファウンドリー事業は米国の国家戦略資産としての期待を背負う一方、現状では巨額の損失を計上しており、投資家は早期の事業安定化を求めている。TSMCとの提携期待が後退したことで、同事業の先行きに対する不安が増幅された。今後、外部パートナーシップや政府支援策の動向がインテルの事業再建において重要な鍵を握ると考えられる。

市場から選好されない現状とインテル株に求められる成長ストーリー

モトリーフールの「ストックアドバイザー」チームは、将来有望な10銘柄リストにインテルを含めなかった。過去にはこのリストに掲載されたNetflixやNvidiaが大きな株価成長を遂げており、現在の総平均リターンは859%とS&P500指数を大きく上回っている。これに対し、インテルは成長加速を期待できる銘柄とは位置付けられていない状況にある。

この評価は、インテルの短期業績見通しの弱さ、ファウンドリー事業の不透明性、ならびに競争環境の激化といった要素が反映された結果といえる。今後、インテルが市場の選好を回復するためには、明確な成長戦略と収益性改善の道筋を示すことが求められる。特に、AI半導体や次世代製造技術領域での実効性ある成果が、投資家の信頼回復に不可欠となろう。

Source:The Motley Fool