マイクロソフトは、Windows 11 Insider Preview Build 26120.3941と26200.5570のアップデートにより、音声入力機能に「不適切な言葉のフィルター」オプションを新たに導入した。この設定を切り替えることで、発話中に検閲される単語をユーザー自身がコントロールできるようになる。

現在はWindows Insider ProgramのBetaおよびDevチャンネル向けに提供されているが、将来的には一般ユーザーにも展開される可能性が高いとみられる。これにより、音声入力時の自由度が大きく高まり、入力体験の個別最適化が進むと期待される。

Windows 11 Insider向けに音声入力の新設定が登場 フィルターのオンオフが可能に

マイクロソフトは、Windows 11 Insider Preview Build 26120.3941(KB5055634)および26200.5570(KB5055632)において、音声入力機能に「不適切な言葉のフィルター設定」オプションを導入した。Windowsキー+Hキーによる音声入力起動後、設定アイコンをクリックすることでこの新たなトグルを利用できる。フィルターをオンにすると、従来どおり不適切な発言はアスタリスクで伏字処理される。オフに設定すれば、発言内容がそのままテキスト化される仕組みである。

今回の追加機能は、現時点ではWindows Insider ProgramのBetaおよびDevチャンネル限定で提供されている。なお、アップデートは段階的に配信されるため、Insider Programに登録していても即座に利用できるとは限らない。正式版への展開は今後順次進む見込みであり、音声入力の自由度向上を期待する声は多い。

一方で、このフィルター設定がどの程度の単語リストを対象とするか、また多言語入力時の挙動については現段階で詳細が示されていない。仕様が不透明な部分も残されており、今後のフィードバック次第で更なる調整が加えられる可能性がある。

音声入力機能のカスタマイズ拡充はユーザー体験をどう変えるか

音声入力に「不適切な言葉のフィルター設定」が加わったことは、ユーザーの表現の自由度を高める方向に作用すると考えられる。これまで一律に伏字処理されていた環境では、自然な会話文や感情を含む入力が妨げられる場面もあった。今回のオプション追加により、より意図した通りの文章を生成できる機会が広がるだろう。

ただし、自由度向上の一方で、発言内容の管理責任が完全に個人に委ねられる点には注意が必要となる。特に公的な環境やビジネス用途で音声入力を利用する場合、不適切な表現が無意識に記録されるリスクも否定できない。そのため、利用シーンに応じてフィルターのオンオフを適切に使い分ける判断力が求められる。

マイクロソフトがこの設定を用意した背景には、アクセシビリティ向上と、より柔軟なカスタマイズ性を求めるユーザーからの要望があったと推測できる。細かな機能拡張であっても、実際の入力体験に与える影響は小さくないため、今後正式版に実装されれば多くのユーザーに歓迎される可能性が高い。

Source:XDA