Microsoftは、Windows 11 24H2向けにプレビュー累積更新プログラム「KB5055627」をリリースした。
この更新で、Copilot+ PC向けの新機能「Recall」や「Click to Do」など、計30件の新機能とバグ修正が導入され、ビルド26100.3915へと進化する。ブルースクリーンエラーやネット接続問題などの重大な不具合も修正されており、注目すべき内容となっている。
Windows 11 KB5055627により実現された主な新機能と改善内容

今回のWindows 11 KB5055627アップデートでは、Recall、Click to Do、新しい検索機能といったCopilot+ PC向けの特徴的な機能が導入された。Recallはアプリ、ウェブサイト、ドキュメントの履歴を視覚的に保存し、ユーザーが過去の作業を容易に検索できる手段を提供する。Click to Doは、画面上の要素に直接操作を加える新しいワークフローを可能にし、画像編集やテキスト処理を素早く行えるよう設計されている。また、検索機能の改善では、セマンティックインデックスモデルを活用し、より直感的なキーワード検索が実現している。これらはいずれもビルド26100.3915に含まれ、Windows 11 24H2環境における操作性と作業効率を向上させる要素となっている。
一方で、これらの新機能の恩恵を受けられるのは主にCopilot+ PCに限定される点が留意点である。特にRecallやClick to Doの高度な処理には、40TOPS以上のNPU性能が要求されるため、全てのWindows 11デバイスで同様に活用できるわけではない。ハードウェア要件による格差が、今後ユーザー体験の分断を招く可能性は否定できない。
KB5055627がもたらした重要な不具合修正と安定性向上
KB5055627では新機能だけでなく、多数の不具合修正にも焦点が当てられている。特に、ブルースクリーンエラー(0x18B SECURE_KERNEL_ERROR)や、DHCPクライアントがスリープ復帰後にネットワーク接続を失う問題、さらにネットワークVHD(X)使用時のシステムクラッシュなど、深刻な問題が解消された。加えて、Windows Helloによる顔認証やPINログインの不具合、Push Button Resetオプションの正常動作問題も修正対象となっており、システム全体の安定性が高められている。
これらの修正内容は、従来の累積更新プログラムでは後手に回ることが多かった実用面でのトラブル解決に直結している点が注目される。ただし、依然としてCitrix関連コンポーネントによるインストールブロックや、ARMデバイスでのRobloxインストール問題といった既知の課題も残されている。今回のアップデートが万能ではなく、引き続き個別の環境に応じた対応が必要になる可能性があることにも注意を払う必要がある。
Source:BleepingComputer