Microsoftは、Windows向けClassic Outlookで発生していた文字入力時の高CPU使用率問題に対し、修正パッチを開発したと発表した。CPU使用率が30〜50%に達することが確認されていたこのバグは、Wordチームによる対応により、BetaチャネルやCurrentチャネルで2025年5月から順次修正が適用される予定となる。
一方で、問題はSemi Annualチャネルにも波及しており、緊急の対処にはバージョン2405へのダウングレードが必要だが、セキュリティ更新の観点から推奨されていない。Microsoftは公式サポート記事に手順を掲載し、影響を受けた利用者に対応を促している。
Classic Outlookにおける高CPU使用率問題の詳細とMicrosoftの修正対応

Microsoftは2025年4月25日に、Classic Outlook使用時に発生していた高いCPU使用率の問題に対する修正内容を正式に発表した。この問題は文字入力時にCPU使用率が30〜50%にも達する深刻なもので、リソース消費がシステム全体のパフォーマンスに大きな影響を与えていた。これに対し、Microsoftは当初、Semi Annualチャネルへの切り替えを一時的な回避策として提示していたが、根本的な対応としてWordチームが修正パッチを開発し、BetaチャネルやCurrentチャネルに向けて5月以降順次展開する計画を示した。
さらに、Betaチャネル(バージョン2505 ビルド18822.15000)では5月初旬、Currentチャネルプレビュー(ビルド18827.20000)では5月中旬、そしてCurrentチャネル正式版でも5月下旬に配信が開始される予定である。公式発表では、各ビルドの更新履歴ページへのリンクも案内され、対象ユーザーが自らの環境に合った対応状況を確認できるよう配慮されている。
一方で、Semi Annualチャネルにも影響が波及していることが判明し、即時対応が求められるケースでは、バージョン2405へのダウングレードを選択するしかない状況となっている。ただしこの方法は、セキュリティパッチが適用されなくなるリスクが伴うため、あくまで緊急措置として限定的な選択肢となることが明記されている。
修正の適用と残された課題に対する考察
Microsoftが展開を予定している修正パッチは、段階的なリリースにより各チャネルに順次浸透させる方針であるが、その一方で根本解決には時間を要する現実も浮かび上がっている。特に、Semi Annualチャネルに新たな影響が出ている事実は、Microsoftが想定していた範囲を超えた問題の広がりを示唆しており、単なるパッチ提供だけではユーザーの安心感を十分に確保できない可能性がある。
また、推奨されていないバージョン2405へのロールバックという手段が提示されていることからも、現時点では最適解が提示されていない状況がうかがえる。一般的な運用環境において、セキュリティ更新を放棄することは極めて大きなリスクを伴うため、個々の利用者にとっては慎重な判断が求められる局面となるだろう。
この問題を受けて、今後はMicrosoftがどれだけ迅速に安定版への修正展開を完了させるか、さらに新たな影響範囲を正確に把握し、ユーザーへの情報提供を強化できるかが注目される。安心して利用できる環境構築に向けた継続的な改善策が今後の鍵となりそうだ。
Source:Neowin