Alphabet(GOOG、GOOGL)は、2025年第1四半期決算で前年同期比12%増の922億3400万ドルの売上高と、189億5300万ドルのフリーキャッシュフロー(FCF)を発表した。設備投資が前年から48%増加するなかでも、FCFマージンは前年同水準を維持し、コスト管理の巧妙さを示した。

アナリスト予測によれば、今後12か月間の収益拡大と21%超のFCFマージン持続が見込まれ、株価は現在水準から平均29%、最大で35.7%の上昇余地があるとされる。割安感が強まるなか、GOOG株への投資妙味は一段と高まっている。

リスク管理手法としては、アウト・オブ・ザ・マネー(OTM)プット売りや、イン・ザ・マネー(ITM)コール買い戦略が紹介され、低リスクで高リターンを目指すアプローチも現実的選択肢となりつつある。

設備投資増加を上回る高水準のフリーキャッシュフロー確保

Alphabetは2025年第1四半期において、前年同期比48%増となる172億ドルの設備投資を実施しながらも、189億5300万ドルというフリーキャッシュフロー(FCF)を計上した。売上高に対するFCF比率は前年の20.9%から21.0%へと微増し、資本支出の急拡大にもかかわらず、高い収益性を維持した事実は市場の予想を上回るものであった。さらに、直近12か月(TTM)においても、FCFは前年より8.35%増加し、売上高に対する比率は20.8%と堅調であった。

一方、データセンターやAIインフラ投資に対する積極姿勢は明確であり、これにより短期的な資金流出リスクが指摘される局面もあった。しかし、結果的にはコスト構造の高度な最適化が奏功し、利益率低下を回避した構図が浮き彫りとなった。売上成長と設備投資のバランスを巧みに制御する経営戦略の成熟が、今後のキャッシュフロー安定化に寄与する可能性が高い。

現時点では、設備投資負担が収益構造に大きな影響を及ぼす兆候はみられない。むしろ、積極投資によって中長期的な競争優位性が高まり、フリーキャッシュフローの絶対額拡大につながるとの見方が説得力を持ち始めている。

株価上昇余地は最大35% 割安評価の根拠を探る

GOOG株は直近163.85ドルで取引されており、過去3か月高値の207.71ドルから下落しているものの、4月8日の安値146.58ドルからは反発している。現在の時価総額1兆9540億ドルに対し、直近TTMのフリーキャッシュフロー利回りは3.83%であり、過去平均の3.5%に戻ると仮定すれば、時価総額は2兆6250億ドルに達する可能性がある。これにより、GOOG株には最大で+35.7%の上昇余地があるとの試算が示されている。

アナリスト予測では、2025年に収益が10.6%増の3872億5000万ドル、2026年に10.7%増の4287億3000万ドルに達する見通しであり、これに21%のFCFマージンを適用すると918億7500万ドルのキャッシュフローが期待できる。これに基づき算出される理論株価は、現在値から平均して約29%高い水準となる計算である。

市場では、過剰な悲観論から脱却しつつある兆候もみられるが、株価上昇の前提条件となる持続的な収益成長と投資効果の顕在化は依然として重要な検証ポイントとなる。中長期的に見れば、GOOG株は割安であり、堅実なリターンを狙う投資対象として注目度を増す局面にある。

Source:Barchart.com