サムスンの次期折りたたみスマートフォンGalaxy Z Flip7は、Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxyを搭載する可能性が指摘されている。これは標準版より高クロック仕様で、性能向上が期待される。また、Motorola Razr 60 Ultraとの競争を見据え、バッテリー容量の拡大も検討されているという。
さらにディスプレイの折り目を目立たなくする新型ヒンジやベゼルの縮小も噂されており、使い勝手と耐久性の両立を図る姿勢がうかがえる。
Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy採用とバッテリー拡大の可能性

Galaxy Z Flip7は、標準版より高クロック仕様となるSnapdragon 8 Gen 3 for Galaxyを搭載する計画が伝えられている。このチップはGalaxyスマートフォン専用に設計されており、通常のSnapdragon 8 Gen 3よりも性能面で優れることが特徴だ。Qualcommが10月に次世代Snapdragon 8 Gen 4を発表する見込みであるが、Flip7の発売時期を踏まえると新型チップ採用は現実的ではないと考えられている。また、バッテリーに関しても注目すべき変化が予想される。現行モデルであるGalaxy Z Flip5の3700mAhに対し、ライバルであるMotorola Razr 60 Ultraは3800mAhを搭載しており、Flip7はこれに対抗するためバッテリー容量の拡大が見込まれている。ただし、具体的な数値はまだ明かされていない。
一方で、Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxyを採用することで熱処理やバッテリー消費の最適化が求められる可能性も無視できない。高クロック版のチップは発熱量が増す傾向にあり、放熱設計やソフトウェアチューニングが製品の完成度に直結する。バッテリー拡大による利便性向上は魅力的だが、デバイスの重量増加や筐体設計への影響にも慎重な判断が必要となるだろう。サムスンがどこまでバランスを取れるかが注目される。
改良型ヒンジと狭額縁設計がもたらす体験向上
Galaxy Z Flip7では、折りたたみディスプレイの折り目(クリース)を目立たなくする新型ヒンジデザインの採用が検討されている。これにより使用時の見た目だけでなく、耐久性向上にも寄与する可能性があるとされる。現行の折りたたみスマートフォンにおいて、クリースの存在感は長年の課題となっており、ヒンジ構造の改良はユーザーエクスペリエンスに直結する重要な要素といえる。また、ベゼル(画面の縁)もさらに細くなると報じられており、より洗練されたデザインと広がりを感じさせる画面表示が期待できる。
とはいえ、ヒンジやベゼルに手を加えることで耐久性や防水性能への影響が懸念される点も考慮すべきである。特にヒンジ部分は可動機構ゆえに劣化リスクを伴いやすく、構造強化と薄型化を両立させる技術的ハードルは高い。画面縁を狭くすることで誤タッチのリスクも生じる可能性があり、単純なデザイン変更以上に操作性とのバランスが問われる領域となるだろう。Flip7の完成度次第では、折りたたみスマートフォン市場の評価を大きく左右するモデルになり得る。
Source:Notebookcheck