マイクロソフトはWindows 11のタスクバーにカラフルなバッテリーアイコンを導入する計画を進めているが、一般ユーザー向けの提供時期(ETA)は依然未定である。

4月23日に公開されたBuild 27842ではテスター向け再展開を予告しており、同社プリンシパルプログラムマネージャーのJennifer GentlemanもReddit上で開発継続を明言した。バッテリー残量や充電状態をより直感的に可視化するこの新デザインは、エネルギーセーバー時に黄色、充電中に緑色と色分けされ、細部にわたる改良が施される予定である。

新たなバッテリーアイコンの仕様とWindows 11における表示改善

Windows 11の新しいバッテリーアイコンは、従来よりも横長に設計され、充電状態やバッテリー残量を視覚的に把握しやすい構成となっている。エネルギーセーバー時には黄色、充電中は緑色と色で状態が示され、さらにスマートチャージング中には稲妻マークが付加される仕様である。オーバーレイの位置もバッテリー中央に移動し、タスクバーの無駄なスペース消費を抑える設計が採用されている。

特筆すべきは、バッテリーが80%充電に達した際にはプラグアイコンを表示し、残量が1〜5%に低下した場合には細い赤いバーで警告を示す点である。

これにより、ユーザーが一目で充電状況を認識できる利便性が高まる設計思想が読み取れる。また、スマートチャージング機能はSurfaceアプリやHP、DellのOEMアプリケーションによって管理されるため、ハードウェアメーカーごとの最適化が進められているのが特徴である。

これらの仕様変更は、モバイル端末におけるバッテリー表示の進化を受けたものであり、Windowsプラットフォームのユーザー体験を現代標準に合わせる取り組みの一環と位置付けられる。バッテリー寿命の延伸と利便性の両立を志向するマイクロソフトの意図が明確に示されている。

リリース遅延の背景とマイクロソフトの開発姿勢

今回のカラフルなバッテリーアイコンの導入は、マイクロソフトにとって1年以上にわたるプロジェクトであり、依然として一般ユーザー向けのリリース時期は明らかにされていない。

プリンシパルプログラムマネージャーであるJennifer GentlemanはReddit上で、具体的なETAを示すことはできないと述べたが、開発自体は着実に進行していると説明している。4月23日に公開されたWindows 11 Build 27842でも、テスター向けの再展開が示唆された点は注目に値する。

この遅延の背景には、ユーザーから寄せられた「バッテリーレベルや充電状態がわかりにくい」というフィードバックをもとに、単なるデザイン変更に留まらず、実用性向上を徹底追求している事情があるとみられる。また、Windows 10時代から指摘されていたバッテリー表示に関する課題を根本的に解決しようとする意図もうかがえる。

マイクロソフトは「フィードバックには常に耳を傾けているが、すぐに反映するとは限らない」と明言しており、拙速な実装を避け、品質確保を最優先する開発方針を維持している。この姿勢は、単なる新機能追加ではなく、プラットフォーム全体のユーザー体験向上を視野に入れた長期的戦略の一環と位置付けるべきである。

Source:Windows Latest