Apple、Microsoft、Nvidiaの3社は時価総額3兆ドルを超える巨大企業として君臨してきたが、次なる覇者としてAmazonが浮上している。2024年にはフリーキャッシュフロー32.9億ドル、営業利益率10.75%を記録し、AWSや広告事業の好調が全体の収益拡大に寄与した。

さらにAIサービス拡大や物流事業強化を見据えた積極投資が続き、今後数年で時価総額4兆~5兆ドルへの成長も視野に入る。現在の株価水準は過去の評価と比較しても割安感があり、長期的な視点で注目すべき銘柄となり得る。

Amazonが各事業で記録的な成長を達成し、時価総額拡大の土台を築く

Amazonは2024年にフリーキャッシュフロー32.9億ドル、営業利益率10.75%を達成し、北米小売事業でも営業利益率を6.4%にまで押し上げた。国際部門は2023年の赤字から一転して黒字化し、AWSに至っては営業利益率が37%に達するなど、各事業で顕著な収益改善が見られる。これらの成果は、短期的な利益を犠牲にしてでも長期的成長を志向してきた経営戦略の結果であり、米国内物流網の再構築によるコスト削減と効率化も大きな寄与要因となった。

さらに、高利益率の広告事業拡大が全体の収益力を押し上げる見通しであり、今後の成長持続に向けた強固な基盤が整いつつある。これらの実績は、Amazonが持続的な収益成長を実現できる体制にあることを裏付けており、時価総額で競合3社を追い越すための第一歩を踏み出したと位置付けられる。

AIと物流分野での積極投資が次世代成長エンジンを形成する可能性

Amazonは2025年に向け、AWSへの大規模投資を加速させ、AIサービスの拡充を目指している。AWSでは需要超過状態が続いており、データセンターの増設を通じて収益拡大を狙う。さらに、Amazon Bedrockを中心としたAI基盤構築支援サービスの提供や、消費者向けAIアプリケーション開発など、幅広いAI関連事業を展開している。

一方、物流分野では、米国全土に整備した広大な配送網を活用し、将来的に第三者向け物流サービスの拡張も視野に入れている。これにより、既存インフラを活用した高収益事業の新規創出が可能となる見込みだ。こうした動きは、Amazonが単なる小売業に留まらず、AIと物流を軸とした新たな成長ドライバーを確保しつつある状況を示しており、次世代市場における優位性確立への道筋を描き始めている。

株価の割安感と収益成長見通しが中長期投資妙味を高める要因となる

Amazonの株価は、将来予想PER29.5倍と一見高水準に見えるものの、過去の評価水準や現在の収益拡大ペースを踏まえると依然として割安感が漂う。特に、AWSと小売事業の利益率改善により、今後数年でフリーキャッシュフローが飛躍的に増加する可能性がある点は見逃せない。

現時点での市場評価額は2兆ドル未満だが、2030年までに年間フリーキャッシュフロー1000億ドル規模に達するシナリオも想定されており、仮に2〜2.5%のフリーキャッシュフロー利回りで評価されれば、4兆〜5兆ドルという時価総額も射程圏内に入る。このように、現在の株価水準は将来的な成長余地を十分に織り込んでおらず、中長期的な視点でみれば有望な投資対象として位置づけられる状況にある。

Source:yahoo finance