人工知能(AI)市場の拡大が続く中、Nvidiaに迫る可能性を秘めたAI関連銘柄として、DigitalOcean(DOCN)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、インテル(INTC)が浮上している。DigitalOceanはAIインフラ「Droplets」を発表し需要を急拡大、AMDはZT Systems買収を完了しAIチップ分野を強化、インテルは企業改革を経て400%急騰の可能性が指摘されるなど、それぞれ独自の成長戦略を推進している。
各社は過去の低迷や競争劣位を乗り越え、今後数年でAI市場における存在感を高めると期待されるが、市場の動向次第では成長シナリオに変動が生じる可能性もある。
DigitalOceanが打ち出すAIインフラ戦略と市場の評価

DigitalOcean(ティッカー:DOCN)は、2024年10月にAIインフラプラットフォーム「Droplets」を発表し、中小企業や開発者、スタートアップ層に対して大規模言語モデル(LLM)のトレーニングおよび展開機能を提供開始した。この新サービスにより、クラウドコンピューティング分野にとどまらず、AI分野でも強力な存在感を示しつつある。サービス提供直後から需要は急増し、同社の株価も上昇基調を強めた。
さらに、AIインフラ領域への積極的な投資が続けられ、長期的な成長ポテンシャルが強調されている。市場では、これまで注目度が低かった同社が、今後AI産業における重要な役割を担う可能性があると見られている。ただし、現時点ではNvidiaに匹敵する規模には至っておらず、競争激化の中で持続的成長を遂げるには製品の差別化と事業拡張の巧拙が問われる局面にある。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズによるZT Systems買収とAIチップ強化の行方
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は、49億ドル規模のZT Systems買収を完了し、AIコンピューティング需要拡大に対応する体制を整えた。過去5年間で同社株価は上昇基調にあったが、近年は苦戦を強いられていた。CNNのアナリスト予測によれば、今後12か月で株価が最大107.38%上昇し、200ドルに達する可能性が指摘されている。
一方で、リスク下限は90ドルとされており、現在株価はこの下限に近い水準で推移している。投資家にとっては割安なタイミングとも見なされ、Nvidiaの代替銘柄としての期待が高まっている。ただし、AI市場全体の成長スピードや他社との競争状況によっては、期待通りの株価上昇を実現できないリスクも否定できず、引き続き慎重な見極めが求められる。
企業改革に挑むインテルの復活シナリオと株価見通し
インテル(INTC)は、近年の業績低迷を受けて企業改革を推進し、新CEOの下で大胆な方向転換に踏み切った。リストラを含む再編成を経た現在、株価は2025年初頭時点で開始時とほぼ同水準にある。CNNの分析では、同社株は200日移動平均線付近に位置しており、押し目買いの好機とされている。
さらに、一部アナリストは、INTC株に400%の上昇ポテンシャルが存在すると指摘している。ただし、インテルは依然としてAI分野では後発であり、競争激化する市場での存在感回復には時間を要する見込みである。今後の成長は新技術への迅速な投資と、製品力強化の実効性に左右されるため、市場の期待と現実のギャップを慎重に見極める必要がある。
Source:Watcher Guru