Googleは、Android向け「Find My Device」に超広帯域(UWB)技術のサポートを間もなく導入する計画を明らかにした。これにより、位置特定の精度が飛躍的に向上し、紛失デバイスの正確な場所を特定できる可能性が高まる。あわせて、昨年の大型アップデート以降、位置検索速度が約4倍に向上したことも発表されている。
一方で、The Vergeによる検証では、カバレッジの安定性に一部課題が残ることも報告されており、広範囲な利用環境でのパフォーマンス向上は今後の焦点とされる。UWB対応には対応スマートフォンが必要だが、Galaxy S25 UltraやPixel 9 Proなど最新モデルでは標準搭載が進んでいる。5月20日に開幕するGoogle I/O 2025で、さらに詳細な発表が行われる可能性も示唆されており、Androidエコシステムにおける紛失防止技術の進化が注目される。
Find My Deviceに超広帯域(UWB)対応が間もなく導入 精密な位置特定が可能に

Googleは、Android向けのFind My Deviceサービスにおいて、超広帯域(UWB)技術のサポートを「非常に近いうちに」追加する計画を明らかにした。これにより、紛失したデバイスの位置特定がこれまで以上に精密になり、具体的な場所までピンポイントで把握できる可能性が高まる。AppleのAirTagが既に実現しているように、UWBを活用することで、単なる「近くにある」から「家具の裏にある」など詳細な場所特定が可能となる。Angela Hsiao氏(Androidプロダクトマネージャー)によれば、この機能は既にFind My Deviceのコード内に統合準備が進められており、5月20日開幕のGoogle I/O 2025で発表される可能性があると指摘されている。
ただし、利用には探す側のスマートフォンもUWB対応である必要があり、Galaxy S25 UltraやPixel 9 Proといった最新機種が対象となる。精密な位置検出機能の追加は、日常生活においてデバイス紛失時のストレス軽減に直結する改善といえる。一方、UWB未対応のスマートフォンユーザーには恩恵が限定されることも想定され、今後の普及拡大がサービスの真価を左右すると考えられる。
約4倍高速化されたFind My Device それでも残るカバレッジの課題
Googleは、Find My Deviceネットワークの改良により、2024年の大型アップデート時と比較して、デバイス検索速度が約4倍に向上したと発表している。この進化により、従来よりも素早く紛失物を検知できるようになり、ユーザーの利便性は大きく向上している。The Vergeによる検証でも、都市部など通信が密な環境ではAppleのFind Myネットワークに匹敵する性能を示しており、競合との差を着実に縮めつつあることが示された。
しかし、包括的なテストでは、人やデバイスの密度が低い地域におけるカバレッジや追跡時間にまだ課題が残ることも明らかとなった。利用するトラッカーや周囲の通信環境によってもパフォーマンスが変動し、万能とはいえない状況が続いている。検索速度の向上は確かな進歩であり、日常利用における利便性は着実に高まっているが、現状では環境に左右されない一貫した精度を実現するには至っていない。特に山間部や郊外エリアにおける精度改善が、今後のFind My Device普及の鍵を握ると見られる。
Source:TechRadar