ドイツの有力PCパーツショップMindfactoryにおいて、AMDの最新ゲーミングGPU「Radeon RX 9070 XT」が第17週の販売ランキングで他社製品を圧倒した。特に、GeForce RTX 5070 Tiに対してほぼ3倍近い販売台数を記録し、カスタムモデル「PowerColor Hellhound」が人気を牽引した。

MindfactoryではNVIDIA製GPUの総販売数が上回る一方、Radeon RX 9070 XT単体では供給状況の良好さと中価格帯戦略が奏功したとみられる。今後の市場全体動向は、間もなく更新されるSteamハードウェア調査の結果に注目が集まる。

Radeon RX 9070 XTがMindfactoryで記録した販売実績と競合製品との比較

ドイツの人気PCパーツ販売店Mindfactoryにおいて、AMDの最新ゲーミングGPU「Radeon RX 9070 XT」が第17週に440台を売り上げ、競合製品を大きく引き離す結果となった。特に、NVIDIAのGeForce RTX 5070 Tiと比較して約3倍近い販売台数を記録しており、これまでNVIDIA製品が支配的だった同市場において例外的な成果であることが浮き彫りとなった。

カスタムモデルの「PowerColor Hellhound」が120台売れたことも、販売を押し上げる要因となった。これに続いたのは、255台を売り上げたGeForce RTX 5060 Tiであり、さらにGeForce RTX 5070(無印)が130台、GeForce RTX 4060が60台と続いた。

全体ではNVIDIA製GPUが895台、AMD製GPUが770台販売され、NVIDIAの売上比率は57.35%に達しているものの、単一モデルの成功という観点ではRadeon RX 9070 XTが際立った形となった。こうした結果から、AMDがハイエンド市場ではなく中価格帯にフォーカスした戦略が、特定市場において効果的であることが示されたと考えられる。

価格帯戦略と供給状況がもたらしたRadeon RX 9070 XTの成功要因の分析

Radeon RX 9070 XTがMindfactoryで販売トップに立った背景には、単なるスペック競争に依存しない価格帯戦略と供給の安定が存在する。ハイエンド最上位市場ではなく、競争の激しい中価格帯に狙いを定めたことが、RTX 5090やRTX 5080といった高額製品との差別化に成功した要因とみられる。

また、カスタムモデルを含め供給体制が比較的良好であったことも、消費者の選択肢を広げたと推察される。GeForce RTX 5080の販売台数は185台にとどまり、RTX 5090に至ってはほとんど販売実績が見られなかったことからも、価格と性能のバランスを重視する購買層が一定のボリュームを占めていたことが推測される。

さらに、特定ブランドのモデル人気が売上を押し上げた事例は、販売現場におけるブランド選好の重要性を改めて示している。ただし、市場全体でのシェア変動が確定的なわけではなく、Steamハードウェア調査など他の指標との突き合わせが今後の推移を見極めるうえで不可欠である。

Source:HotHardware