PC Gamerによると、著名リーカー「All the Watts」がAMDの新型モバイルGPU「RX 9000Mシリーズ」のスペック情報を明かした。最上位モデルとされるRX 9080Mは、64のコンピュートユニット(CU)、16GBのVRAM、64MBのL3キャッシュを搭載する可能性が指摘されている。

また、下位モデルにはRX 9070M(48CU/12GB)やRX 9060M(28CU/8GB)も含まれる見込みである。これらのモバイルGPUは、5月21日開催のComputex 2025で正式発表される可能性があるが、現時点では推測に留まる。AMDがゲーミングノート市場でNavi 44ベースの新型チップをどこまで普及させられるかが今後の焦点となるだろう。

AMD RX 9000Mシリーズのラインナップと性能概要

PC Gamerの報道によれば、著名リーカー「All the Watts」が明かした情報に基づき、AMDの次世代モバイルGPU「RX 9000Mシリーズ」の詳細なスペックが判明した。最上位モデルRX 9080Mは、64のコンピュートユニット(CU)、16GBのGDDR6 VRAM、64MBのL3キャッシュを備えるとされ、デスクトップ向けRX 9070 XTに匹敵する構成が示唆されている。

これに続くRX 9070Mは48CU、12GB VRAM、48MBキャッシュ、さらにRX 9060Mは28CU、8GB VRAM、32MBキャッシュという仕様になる見込みである。加えて、低消費電力モデルとされる「S」バリアントの存在も報告され、旧NVIDIA Max-Qシリーズに類似する設計思想が推測されている。なお、これらのGPUはいずれもNavi 44アーキテクチャに基づくと予測されており、中国市場専用モデルと重複する構成を持つ製品も確認されている。

AMDは2025年5月21日に開催されるComputex 2025で、ゲーミング、AI PC、エンタープライズ向けの新製品発表を予定していると明言しており、RX 9000Mシリーズの正式な公開が期待される。ただし、CES 2025での先例を踏まえれば、詳細情報の発表が限定的となる可能性も排除できない。これらの新型モバイルGPUが市場に与える影響は、今後のラップトップメーカーの採用動向次第となるだろう。

RX 9000Mシリーズ投入がゲーミングノート市場に及ぼす可能性

今回報じられたRX 9000Mシリーズの仕様は、AMDがゲーミングノート市場でさらなる存在感を示すための布石とみなされる。RX 9080Mに見られる高性能設計は、従来NVIDIA主導であった高性能ゲーミングノート領域への本格参入を意図していると考えられる。

一方、下位モデルであるRX 9070MやRX 9060Mが、8GB VRAMという比較的控えめなスペックを維持している点は、中間帯およびエントリーモデル市場も視野に入れたラインナップ拡充の意図を示唆する。

しかしながら、過去にもAMDモバイルGPUが市場浸透に苦戦してきた歴史を踏まえると、RX 9000Mシリーズが広範囲に採用されるかは未知数である。特に、消費電力特性や熱設計(TDP)がラップトップメーカーの設計要件にどれほど適合するかが鍵となろう。また、AI PC需要が高まる中、AMDがどの程度AI処理機能をモバイルGPUに統合してくるかも注視すべき要素である。Computex 2025で明かされる発表内容により、モバイルGPU市場における勢力図が大きく動く可能性も否定できない。

Source:PC Gamer