AMDは中国において、RDNA 4アーキテクチャを採用した新型GPU「Radeon RX 9070 GRE」を正式発表した。Navi 48ダイを搭載し、12 GB GDDR6 VRAM、最大2,790 MHzのブーストクロック、TDP220Wという仕様を備え、同時発表された情報によれば、RX 7900 GRE比で平均6%のパフォーマンス向上を達成するとされる。販売はリファレンスデザインではなく、AsusをはじめとするAIBパートナー製品のみとなり、価格は4,199人民元(約450ドル)から設定された。初回出荷は5月8日より順次開始予定で、今後のグローバル展開も視野に入っているが、具体的な時期は未定である。
一方で、市場投入直後の供給状況や、実際の販売価格が希望小売価格に収まるかは不透明であり、コストパフォーマンスの高さが真に評価されるかは今後の推移次第と見られる。
AMD Radeon RX 9070 GREの仕様と性能比較に見る市場投入の意義

AMDが正式発表したRadeon RX 9070 GREは、Navi 48ダイを採用し、48基のコンピュートユニットと3,072基のストリームプロセッサを搭載する。12 GB GDDR6 VRAM、最大2,790 MHzのブーストクロック、TDP220Wという仕様を持ち、18 Gbps駆動のメモリ速度と192ビットメモリバスにより総メモリ帯域幅は432 GB/sに達する。
さらに、48 MBのInfinity Cacheを備えることで、帯域幅の制約を緩和している。AMDは、このRX 9070 GREがRX 7900 GREと比較して、1440p解像度における30本のゲームタイトルにおいて平均6%のパフォーマンス向上を達成したと主張する。
しかし、発表時点の性能主張については注意が求められる。過去の例からも、AMDや他社の初期ベンチマーク発表が実際のゲーム環境での性能と一致しない場合があるためである。特に、RX 9070 GREの位置づけはRTX 5070との競合を意識しているとみられるが、価格対性能比の実態は今後の独立検証により明らかになる見通しである。現時点では、仕様面において十分な競争力を備えたGPUといえるが、実際のゲーマー需要を左右するのはあくまで市場価格と供給状況であろう。
AIBモデルのみ展開される販売戦略とグローバル展開の行方
AMDはRadeon RX 9070 GREにおいてリファレンスデザインを提供せず、全てAIBパートナーによる製品供給とする方針を示した。販売価格は4,199人民元(約450ドル)からとされ、まず中国市場において、JD.comなどを通じて予約注文受付が開始されている。
出荷開始日は5月8日と設定されており、これにより従来流れていた2025年第4四半期発売とのリーク情報は否定された格好である。今後、RX 7900 GRE同様に数か月後のグローバル展開が期待されるが、現時点で公式な発表はない。
この販売戦略により、製品供給の柔軟性と価格帯の多様性が確保される可能性がある一方で、AIBモデル中心の供給体制は地域や販売チャネルによる価格ばらつきを助長する懸念もある。また、中国市場先行販売により、世界市場における初期需要や価格動向が左右される可能性も否定できない。特に、450ドルという設定価格が世界市場において維持されるか、為替や流通コストの影響で上振れするかが注目される。
Source:Notebookcheck