ゴールドマン・サックスやJPモルガンの予測により、米国が2025年までにリセッション入りする確率が最大60%に達すると見込まれている。ディフェンシブ株や金鉱株、生活必需品企業など、景気後退局面に耐性を持つ業種が注目される中、過去の大不況時に堅調だったNetflix、Hershey、American Water Worksなどの実績が再評価されている。これらの銘柄はインフレヘッジや「小さな贅沢品」需要に支えられ、不況期のポートフォリオ安定化に寄与する可能性がある。

米国のリセッション確率上昇と市場への影響分析

ゴールドマン・サックスとJPモルガンの最新予測によれば、米国が2025年までにリセッション入りする確率はそれぞれ45%および60%に達している。特に、米中間の関税問題が引き続き成長リスクとなっており、JPモルガンはトランプ前大統領による関税猶予措置が短期的なショック緩和に寄与するものの、長期的な成長見通しには依然として重大な下押し圧力が残ると指摘した。これらの見通しは、金融市場においてリスク回避姿勢を強める要因となっている。

このような状況下では、資産配分の見直しが不可欠であると考える。特に市場タイミングを狙った過度なリスク回避よりも、景気後退に耐性を持つセクターへのシフトが現実的な対応策といえる。リセッションの発生が確実ではない以上、長期的な市場回復局面を捉えるための柔軟な投資戦略が求められる。

景気後退局面において注目すべきディフェンシブ株のカテゴリー

景気後退時にパフォーマンスを維持しやすいとされる株式カテゴリーには、生活必需品、公益事業、ヘルスケア、ディスカウント小売業者、さらには金銀鉱業株が含まれる。特に生活必需品や医療関連企業は、経済環境に左右されにくい需要を背景に安定収益を確保しており、過去の大不況時にも他のセクターを上回る耐久性を示してきた。

こうしたカテゴリーへの注目は、単なる過去実績に基づくものではなく、消費者行動の根本に根差すものと考える。不況下でも人々が必要とする製品・サービスは変わらず、これがディフェンシブ株の本質的な強みとなる。今後の市場環境を見据えるうえでも、これらのセクターを核としたポートフォリオ構築は極めて重要である。

大不況期に好成績を収めた具体的銘柄と今後の示唆

2007年から2009年の大不況において、Netflix、Hershey、American Water Works、Newmont Miningなどの銘柄が相対的に好成績を収めた。Netflixは消費者の「小さな贅沢品」需要に支えられ、Hersheyは景気に左右されにくい嗜好品市場で堅調な売上を記録した。また、金価格上昇局面に連動するNewmont Miningや、インフラ需要が安定的なAmerican Water Worksも投資家の関心を集めた。

これらの銘柄の共通点は、不況期における需要の安定性または代替資産価値の高さにあると考えられる。短期的な景気循環に依存しないビジネスモデルを持つ企業への投資は、将来のリセッションリスクに対する有効なヘッジとなりうる。銘柄選定にあたっては、単なるブランドイメージではなく、収益構造の堅牢性に着目すべきである。

Source:The Motley Fool