AMDは、Computex 2025にてRDNA 4アーキテクチャを採用したノートPC向けGPU「Radeon RX 9000M」シリーズを発表する見通しである。シリーズの最上位モデルであるRadeon RX 9080Mは、64基のコンピュートユニット(CU)と16GBのGDDR6メモリを備え、モバイルゲーミング領域における性能と効率性の両立を目指す。加えて、RX 9060Sなど8GB VRAMを搭載した低消費電力モデルも含め、合計6種のバリエーションが展開される予定であり、これらは競合他社のモバイル向けGPU戦略に対抗する布石となる可能性がある。
AMDが発表予定のRadeon RX 9000Mシリーズ 64CU搭載のRX 9080Mを含む全6モデルの構成詳細

AMDは、2025年5月21日に開催予定のComputexにおいて、RDNA 4アーキテクチャを基盤とするノートPC向けGPU「Radeon RX 9000Mシリーズ」を正式発表する見込みである。注目のフラッグシップモデル「Radeon RX 9080M」は、64基のコンピュートユニット(CU)と4096ストリームプロセッサ、16GBのGDDR6メモリを備え、ハイエンドモバイルゲーミング市場に照準を定めた仕様となる。
その他にも、RX 9070M XT(48CU+12GB)、RX 9070M(32CU+8GB)、RX 9070S(32CU+8GB)、RX 9060M(28CU+8GB)、RX 9060S(28CU+8GB)と、合計6種のバリエーションが用意される計画である。特に「S」バリアントは、低消費電力モデルとして設計され、NVIDIAのMax-Qシリーズに類似したコンセプトを採るとみられている。
AMDがノートPC市場向けにこれだけ細分化されたGPUラインアップを用意する背景には、ゲーミングからクリエイティブ作業まで多様化するモバイルユーザーのニーズに対応する意図があると考えられる。また、最大175Wに達するTGP設計が示唆されている点からも、単なる省電力志向に留まらず、パフォーマンス重視のセグメントも明確に狙っていることがうかがえる。ただし、これらのモデルが実際に市場でどの程度の競争力を発揮できるかは、NVIDIAの新製品動向との兼ね合い次第となろう。
RDNA 4アーキテクチャ採用による性能効率の進化 モバイルゲーミング市場での差別化を図るAMDの戦略
Radeon RX 9000Mシリーズに搭載されるRDNA 4アーキテクチャは、先代RDNA 3に比べてさらなる性能向上と電力効率の最適化が期待される。特に、64CUを搭載したRX 9080Mは、4096基のストリームプロセッサと16GBのGDDR6メモリにより、高負荷なゲーミングタイトルやクリエイティブ用途においても安定したフレームレートとレスポンスを提供する仕様となっている。さらに、低消費電力モデルである「S」バリアントを同時展開することで、薄型・軽量ノートPCにも対応可能な柔軟な戦略を採用している。
モバイルゲーミング市場は、デスクトップ代替需要の高まりと共に、性能とバッテリー寿命の両立が重要な課題となっている。AMDは、RDNA 4によるワットあたりのパフォーマンス向上に加え、TGPを柔軟に設定できる設計思想を通じて、この需要に応えようとしているとみられる。ただし、実際の消費電力と発熱管理における課題については、依然として製品レビュー段階まで明らかにならない部分も多く、パフォーマンスと電力効率の実地検証が重要なポイントとなるであろう。
Source: TweakTown