アップルは、コードネーム「N50」で開発を進めるスマートグラスについて、製品化に向けた取り組みを続けている。Bloombergの報道によれば、一般公開にはなお長い時間を要する見込みであり、Metaの支配する市場環境下で厳しい競争が予想される。
新型グラスは、単なるAR体験にとどまらず、Apple Intelligenceとの連携を視野に入れ、刷新されたSiriやカメラ搭載AirPodsとともにAI基盤の強化を図る計画も進行中である。
アップル、N50スマートグラスの開発を継続 Apple Intelligenceとの融合を目指す

Bloombergの報道によれば、アップルはコードネーム「N50」で開発中のスマートグラスにおいて、Apple Intelligenceとの連携を重視した設計を進めている。単なるAR体験に留まらず、AI基盤を取り入れることで、これまでにないユーザー体験の提供を目指している。
2023年に不振だったVision Proとは異なり、今回は機能性の深化に重きを置き、刷新されたSiriとの連動も図る計画である。この動きにより、周囲のデータ収集とAI解析を組み合わせた高度なサポートが可能となる見通しだ。
現時点では製品化まで相応の時間を要するとの見方が支配的だが、社内の人員再編成を通じてAI技術強化に取り組む姿勢がうかがえる。今後、ARグラス市場において、単なるデバイス提供ではなく、AIプラットフォームとの融合を図るという戦略が、アップルの成否を分ける可能性があると考えられる。
Meta主導のスマートグラス市場、アップルが直面する競争環境
現在のスマートグラス市場では、Metaが強い存在感を示している。2023年10月に発売された第2世代Ray-Banスマートグラスは、既に200万本以上を売り上げ、2025年には第3世代モデルの投入が計画されている。新モデルではディスプレイ搭載が噂されるほか、Orionプロジェクトで紹介された神経制御リストバンドによる無線操作機能も検討されており、技術革新の速度は著しい。
さらに、MetaはHypernovaと呼ばれる高級ラインも準備しており、ディスプレイパネルを備えた仕様で1,000ドル以上の価格帯を見込んでいる。アップルにとって、これらの動向は無視できない脅威である。一方で、Metaが先行することで生じる課題や市場の飽和感を見極め、独自のアプローチで新たな需要を喚起できるかが問われる局面である。
Source:Laptop Mag