マイクロソフトは、Windows 8.1時代から続いていたファイルエクスプローラーの起動遅延問題を、最新のWindows 11アップデート「KB5055627」にて改善した可能性が指摘されている。
RedditのWindows 11 Subreddit上で、ユーザー「guijahu」がアップデート後の高速化を示す証拠動画を投稿し、iGPUとdGPUを搭載したラップトップ特有の約1秒間の遅延が解消されたと報告した。複数ユーザーによる検証結果には差異が見られるものの、長年の課題に対するマイクロソフトの内部的な最適化施策が奏功した可能性が注目されている。
ファイルエクスプローラー遅延問題とWindows 11アップデートKB5055627の影響

Windows 8.1以降、ファイルエクスプローラーの起動時に発生していた約1秒の遅延は、iGPUとdGPUを併載したラップトップ環境に特有の問題として長年認識されてきた。
Redditのユーザー「guijahu」が投稿した検証結果によれば、Windows 11のKB5055627アップデート適用後、この遅延が明確に解消されたという。彼は、自身のコンピューターでアップデートを実施した後、起動時のレスポンスが飛躍的に向上した様子を動画に収め、公開した。
この報告に対して、Windows 11 Subreddit内では多くのユーザーがそれぞれの体験を共有している。一部では、ファイルエクスプローラーの起動速度が目に見えて改善されたとの声が挙がる一方、変化を実感できないとする意見も存在する。
エクスプローラー起動の初動こそ改善されたものの、依然として動作全般には課題が残ると指摘する声もあり、アップデートの効果には一定の個体差が存在していることが示唆された。
マイクロソフトが公式に本件を修正項目として言及していない以上、今回の改善が意図的なものであるかは断定できない。しかし、長年放置されてきた問題に対し、結果的にせよ改善の兆しが見えたことは、今後の品質向上に向けた前向きな一歩と捉えられる。
マイクロソフトが直面してきた課題とユーザー体験への影響
ファイルエクスプローラーの遅延問題は、表面上の操作性にとどまらず、Windowsプラットフォームにおけるユーザー体験全体に対して根深い影響を与えてきた。
特に、複数GPU搭載機種において発生していた微小な起動遅延は、日常的なファイル操作のたびに蓄積されるストレス要因となり、OSの完成度に対する不信感すら醸成していた。マイクロソフトは、Windows 8.1以降も複数回の大型アップデートを重ねたにもかかわらず、本件については優先順位が低かった可能性がある。
今回、KB5055627適用後に一部環境で起動遅延が解消されたとの報告は、表層的なバグフィックスに留まらず、基盤技術の微細な最適化を示唆するものである。特に、GPUリソース管理やファイルI/O処理の改善が影響している可能性が考えられ、こうした内部最適化が積み重なった結果として、体感速度の向上が実現したと見ることができる。
依然として一部ユーザーの間では効果に個体差が報告されているため、マイクロソフトには、今後さらに幅広い環境で一貫したパフォーマンス改善を達成するための継続的な取り組みが求められる。
Source:XDA