インテルは次世代プラットフォーム「Panther Lake」において、Cougar Cove PコアとDarkmont Eコアを正式採用することが明らかとなった。社内製造プロセス「18A」を基盤とし、Intel Foundry Services(IFS)の将来を左右する重要な製品となる見通しである。

また、Xe3「Celestial」グラフィックスと第5世代NPUを搭載し、最大180TOPSのAI性能を実現する可能性が示唆された。LPDDR5XやDDR5における高速メモリ対応、最大80WのPL2 TDP設定など、パフォーマンス志向の仕様が際立つ。

市場投入は2025年後半を予定しており、すでにパートナー企業向けにサンプル出荷が開始されているため、次世代モバイル市場における競争力回復が期待される。

Panther Lakeに採用された新世代アーキテクチャの詳細

インテルが発表した次期プラットフォーム「Panther Lake」では、Cougar Cove PコアとDarkmont Eコアの組み合わせが正式に採用された。これまでSkymont Eコアが搭載されると見られていたが、開発戦略が変更されたことにより、より高性能かつ効率的な設計が選択されたとみられる。

さらに、Panther Lakeは同社初の「18A」プロセスで製造され、製品群にはXe3「Celestial」アーキテクチャのGPUも統合される予定である。

具体的なSKU例では、4つのPコアと8つのEコア、さらに4つのLP-Eコアを備えたバリエーションが複数確認され、電力定格は最大80W(PL2)に達する仕様となっている。これにより、モバイル市場においても高い演算能力と省電力性を両立させる設計思想が読み取れる。

さらに、次世代NPUによる最大180TOPSのAI演算性能は、従来モデルであるLunar Lakeを大幅に上回るとされ、AIワークロードの処理能力が格段に向上する見込みである。

インテルが狙うモバイル市場での競争力回復の布石

Panther Lakeが搭載するCougar Cove PコアとDarkmont Eコア、そして第5世代NPUの組み合わせは、単なる性能向上にとどまらず、モバイル市場における競争地図を再定義する可能性を秘めている。これまでARMベースSoCが優勢だった領域に対して、インテルは「18A」プロセスという最先端製造技術を武器に挑もうとしている。

特に電力対性能比に優れるLP-Eコアの追加や、15W〜45Wという幅広いTDP設計は、幅広い端末への展開を可能にし、OEM各社にとって魅力的な選択肢となると考えられる。

また、Celestial GPU統合によるグラフィックス性能向上は、クリエイター向けノートPCや軽量ゲーミングデバイスといった新興市場への波及効果も期待される。IFS(Intel Foundry Services)の未来を賭けた製品だけに、インテルの成否は市場の初期評価に大きく左右されることとなるだろう。

Source:Wccftech