サムスンはOne UI 7アップデートにより、GalaxyスマートフォンとタブレットにおいてBixbyを完全に無効化する新機能「Bixbyを離れる」を導入した。この機能を使うと、すべてのBixby対応デバイスから個人データが削除され、Samsungアカウントに紐づく全機器に一斉適用される。

Geminiを中心としたバーチャルアシスタント体験への転換は、Googleによる巨額の投資報道とも結びつき、サムスンの方針変更を後押しした可能性がある。従来は煩雑だったBixby無効化操作も、数ステップで完了する簡素なものとなった。

一方で、Bixbyを離れる手続きは取り消し不能であり、個人データは復元できない点に留意する必要がある。今後、Galaxyデバイスにおけるバーチャルアシスタントの主導権争いはさらに加速するかもしれない。

GalaxyにおけるBixby無効化と個人データ削除の新方針

サムスンはOne UI 7アップデートにより、GalaxyスマートフォンやタブレットでBixbyを完全に無効化できる「Bixbyを離れる」機能を導入した。この操作により、Samsungアカウントに紐づくすべてのBixby対応デバイスから関連データが削除され、初期化を伴う機種も発生する。手順は「設定」アプリの「高度な機能」からBixby項目に進み、専用ボタンをタップするだけと非常に簡素化された。従来の複雑な無効化手順と比べても、操作性が大きく向上している点が特徴である。

一方、この処理を行うと復元は不可能であり、削除されたデータは再登録しなければ利用できない。Samsungは処理完了に最大1週間を要するとしており、即時反映は期待できない。将来的に再びBixbyを使いたい場合、すべてのデバイスで新たに設定が必要となる。この一連の仕様変更は、Bixbyという存在自体がサムスンにおいて後退しつつある現状を象徴していると受け止められる。

サムスンとGoogleの協力関係強化が示唆するバーチャルアシスタント戦略の変化

今回の「Bixbyを離れる」機能の導入背景には、GoogleのGeminiをGalaxyシリーズの中心に据えるサムスンの戦略転換が存在するとみられる。GeminiはBixbyと比較して知能面で優位性があると評価され、さらに報道によればGoogleはサムスンに対して莫大な金額を支払っているという。サムスンが自社製アシスタントよりもGoogle製サービスを優先するという動きは、これまでの姿勢から見ても異例である。

Gemini搭載の流れは、単なる技術的進歩に留まらず、サムスンのデバイスにおけるエコシステム形成に直接影響を与える可能性を孕んでいる。ただし、サムスンが完全にBixbyを放棄するかどうかは依然不透明であり、今後も特定用途に限った形でBixbyが維持される可能性は残されている。現時点では、Googleとの提携深化に伴い、Galaxyデバイスのアシスタント体験が大きな転換点を迎えつつあると見るのが妥当であろう。

Source:SamMobile