OnePlusは3年ぶりにTシリーズを復活させ、OnePlus 13Tを中国市場向けに正式発表した。6.36インチOLEDディスプレイやSnapdragon 8 Gen Eliteを搭載し、150.8×71.7×8.1mm、185gのコンパクトな筐体に高性能を凝縮している。さらに、6,260mAhの大容量シリコンカーボンバッテリーと80W有線急速充電に対応する点も注目に値する。
コンパクトながらもハイエンド性能を備えるOnePlus 13Tの特長

OnePlus 13Tは、6.36インチのOLEDディスプレイを中心に設計されたコンパクトなフラッグシップモデルである。150.8×71.7×8.1mm、重量185gの筐体は、近年大型化が進むスマートフォン市場において希少な存在となっている。Snapdragon 8 Gen Eliteチップセットと最大16GB RAM、512GB UFS 4.0ストレージという構成は、Galaxy S25やOnePlus 13と同等レベルの処理性能を誇る。
耐久性も重視され、Oppo製のカスタムクリスタルシールドガラスによるディスプレイ保護に加え、IP65規格の防塵・防水性能を備える。さらに、ディスプレイ内蔵型の超音波式指紋センサーや、再プログラム可能なアクションキーも搭載し、使い勝手の向上にも配慮が見られる。これらの仕様は、サイズに妥協することなく高性能を求めるニーズに応える設計といえる。
一方で、ワイヤレス充電に対応しない点は、他のハイエンドモデルと比較して不満に感じる可能性がある。しかし、片手操作が可能なサイズ感と最新スペックを両立させたアプローチは、今後のスマートフォン市場に新たなトレンドを呼び起こす可能性も秘めている。
6,260mAhシリコンカーボンバッテリーがもたらす実用性と課題
OnePlus 13Tが搭載する6,260mAhのシリコンカーボンバッテリーは、一般的なフラッグシップモデルを大きく上回る容量である。この大容量バッテリーは、Snapdragon 8 Gen Eliteの高性能と組み合わせることで、長時間の使用にも耐える優れた電力持続性を実現している。加えて、80W有線急速充電にも対応しており、短時間での充電完了が可能な点も実用性を高めている。
しかし、ワイヤレス充電非対応という仕様は、利便性を重視する層にとって一部ネガティブに捉えられる可能性がある。また、バッテリーサイズに伴う重量増加についても、今後さらなる軽量化が求められる局面が出てくるかもしれない。とはいえ、OnePlusが今回採用したシリコンカーボン技術は、従来のリチウムイオンに比べて高いエネルギー密度を持つため、技術的な進歩の一端を示すものでもある。
このように、OnePlus 13Tは単なる小型フラッグシップではなく、電力効率と携帯性のバランスに挑戦する意欲的な設計となっている。今後他メーカーが追随するかどうかも注目すべきポイントといえる。
グローバル展開の可能性と価格設定への期待
現時点でOnePlus 13Tは中国市場限定で販売され、ベースモデルはCNY 3,399(約445米ドル)という非常に競争力のある価格が設定されている。カラーバリエーションもブラック、ブルー、ピンクの3色を揃え、幅広い層にアピールする構成となっている。グローバルリリースについては公式発表がないものの、過去のTシリーズ展開を踏まえると海外発売の可能性は高いと考えられる。
仮にグローバル市場に投入された場合、OnePlus 13Rの約600米ドルより若干高い価格帯に収まる可能性が示唆されている。この価格設定であれば、コストパフォーマンスに優れたコンパクトフラッグシップとして多くの注目を集めることが予想される。一方で、地域ごとの価格差や仕様差異にも注意が必要となるだろう。
OnePlus 13Tが持つ設計思想と価格戦略は、単なるニッチ需要の狙いに留まらず、より多くのユーザー層を取り込む意図が感じられる。グローバル展開が現実となれば、2025年後半のスマートフォン市場における注目株となる可能性がある。
Source:nextpit