2025年に入って苦戦が続くAmazon(NASDAQ: AMZN)株だが、直近5営業日で9.26%の上昇を記録し、年初来下落率を15.69%に縮小した。ウォール街では依然「ストロングバイ」評価が支配的であり、AWSや広告売上、AI分野の成長が期待材料となっている。
最新予測では今後1年間で株価が最大64.78%上昇する可能性も示され、目標株価の中央値は246.70ドルと設定された。ただし、消費支出低迷やAI投資コスト増による収益圧迫リスクも指摘されており、楽観と警戒が交錯する状況にある。
第1四半期決算発表を控え、パイパー・サンドラーやジェフリーズなど大手証券会社が目標株価を引き下げる一方で、買い推奨を維持している点にも注目が集まっている。
AWSとAI分野が支えるAmazonの成長期待

2025年に入ってからのAmazon(NASDAQ: AMZN)は、株価の乱高下にもかかわらず、AWSとAI領域での成長を原動力にしている。AWSの前年比成長率は17%を見込み、第1四半期の売上高もガイダンス範囲内の1,530億ドルが予想されている。また、AI分野では新たなチャットボット「Nova」やAlexa+への進化を通じ、クラウドとAIサービスの競争力を強化している。これにより、クラウド市場だけでなく、広告売上やサブスクリプション収入にもポジティブな波及効果が見込まれている。
一方で、消費支出低迷やマクロ経済の不透明感がリスクとして指摘されていることは無視できない。パイパー・サンドラーやジェフリーズが目標株価を引き下げた背景にも、景気減速への懸念が透けて見える。ただし、Amazonの財務基盤と市場支配力は依然強固であり、AWSの成長軌道が継続する限り、中長期的な投資妙味は十分に残されていると考えられる。
ウォール街の評価が示すAmazon株の強固な信頼感
ウォール街アナリストによるAmazon株への評価は、依然として圧倒的に強気である。AMZNをカバーする47人中46人が「買い」としており、コンセンサス目標株価は246.70ドルに設定されている。過去最高値を記録した2月4日以降、株価は23.26%下落したものの、依然として上昇余地が大きいと見なされている。Loop CapitalやWells Fargoといった有力金融機関も買い推奨を再確認しており、バンガード、ブラックロック、ステートストリートが大口保有する点も信頼性を高めている。
しかし、短期的な市場の波乱要因を踏まえれば、常に楽観一辺倒で捉えるべきではない。消費者マインドの冷え込みやインフレの影響が今後の業績に及ぼす影響には警戒が必要である。それでも、AWSやPrime Videoなど、利益率の高いセグメントが収益を支えている以上、成長路線に大きな変化は生じにくいと見ることができる。
Source:24/7 Wall St.