AppLovin(NASDAQ: APP)の株価は、2025年に505ドル、2030年には1,325ドルに到達する可能性が指摘されている。2025年2月に最高値525.15ドルを記録した同社は、その後の集団訴訟と空売りレポートによる影響で一時35%以上下落したものの、AI広告技術の進化とeコマース分野への拡大を武器に復調傾向を見せている。
モバイルゲーム事業の売却により純粋な広告テクノロジー企業への転換を図った点も注目であり、アナリスト27人中5人が「強い買い」と評価している。
AppLovinの成長を支えるAI広告技術とeコマース展開

AppLovinは、Axon AIエンジンを中心とした広告技術の進化によって、ゲーム分野だけでなくeコマースやフィンテック、自動車広告といった新たな業界にも進出している。特に2024年第4四半期の決算発表では、CEOアダム・フォルーギ氏が、ホリデーシーズンに広告支出の大きなシェアを獲得したと報告しており、この成果が今後の成長を後押しする要因とみられる。また、生成AIを活用した広告クリエイティブの開発により、広告運用の自動化が進みつつあり、これが広告主の参加ハードルを下げる効果も期待される。
一方で、AI広告市場には競合も多く、技術力とサービスの差別化が求められる局面にある。AppLovinが引き続き独自の技術革新を進め、幅広い業界ニーズに応えることができれば、今後数年間でさらなる成長の加速が可能になると考えられる。
モバイルゲーム事業からの撤退がもたらす広告技術企業への転換
AppLovinは、これまでAIモデルの訓練のために保有していたモバイルゲーム事業を、現金5億ドルと株式4億ドルで売却する計画を明らかにした。これにより、同社は純粋な広告テクノロジー企業への転換を本格化させ、収益基盤の一層の強化を目指している。この戦略的な撤退により、資源を広告技術とAI開発に集中できる体制が整い、競争力の向上が期待される。特に、eコマース広告市場への進出に合わせて新たなプラットフォームの展開が予定されており、広告主側のニーズに即応できる柔軟性が高まると見られる。
ただし、ゲーム開発部門の撤退は短期的な売上減少リスクも伴うため、中長期的な成長戦略の精緻な実行が不可欠である。AppLovinが広告エコシステムの中核プレイヤーとなれるかは、今後の市場環境への適応力にかかっている。
株価予測に見るAppLovinの将来展望と成長の可能性
24/7 Wall St.によれば、AppLovinの2025年の目標株価は505ドルとされ、現在価格から100%以上の上昇が見込まれている。さらに2030年には1,325ドルに達する予測が示されており、年平均成長率は10%未満とされながらも、長期的な上昇トレンドが期待されている。現在、アナリスト27人中5人が「強い買い」を推奨しており、AI広告とeコマース市場の拡大が主要な成長エンジンと位置付けられている。フリーキャッシュフローの増加や株主還元施策が着実に進めば、評価の高さは維持される可能性が高い。
とはいえ、市場全体のリスクや競合企業の動向も無視できない要素であるため、慎重なモニタリングが求められる。特に、AI広告分野の成長速度と収益性の確保が、今後の株価推移に大きく影響を与えることになるだろう。
Source:24/7 Wall St.