NvidiaはGeForce RTX 5000シリーズ向けにホットフィックスドライバー「576.26」を新たに公開したが、ユーザーからは再び黒画面やブルースクリーンの不具合が報告されている。これは「576.15」に続く二度目の修正対応であり、当初の「572.16」ドライバー以来、累計6度のアップデートが行われてきたにもかかわらず、根本的な問題は依然として解消されていない。

Reddit上ではWindowsログイン画面に到達できず、カーソルのみが表示される深刻な障害も共有されており、最新GPU購入者にとっては不安要因となりうる。高性能を期待して投資したユーザーが安定性を犠牲にせざるを得ない現状は、ハードウェアの価値を損なう恐れがある。

ドライバー不具合が連鎖するRTX 5000シリーズ 信頼回復の道は険しい

GeForce RTX 5090および5080に対応するGame Ready Driver「572.16」の公開以降、Nvidiaは合計6本の修正ドライバーを投入してきたが、ユーザーからの不具合報告は止まる気配を見せない。最新版「576.26」は「576.15」に続くホットフィックスとして配布されたが、黒画面やブルースクリーン(BSOD)といった深刻な表示障害が引き続き発生しており、Windowsのログイン画面すら表示されず、カーソルのみが残る事例も多く報告されている。

Redditなどのコミュニティでは同様の苦情が多数共有されており、個別環境に起因するとは断定しきれない状況が続いている。

Nvidiaは温度センサーのバグやクラッシュ問題に対処する目的で修正版を短期間で連続投入しているが、それが裏目に出ている印象も否めない。ユーザーが求めているのは更新頻度よりも安定性であり、実際、ドライバーの更新がトラブルを誘発するリスクと捉えられている。

新たなGPUを導入する際、必要不可欠な最新ドライバーに欠陥が残存していることは、高額な投資を行ったユーザーにとって極めて深刻な問題である。現時点では、一部のユーザーは「572.xx」以前の安定版ドライバーへのロールバックを余儀なくされており、新製品の性能を完全に発揮できない環境が続いている。

連続するホットフィックス配布に見るNvidiaの対応姿勢とその限界

Nvidiaは「Team Green」として知られる名門ブランドであり、ドライバーサポートの迅速さはこれまでも評価されてきた。しかし、今回の一連のGeForce RTX 5000シリーズに関するホットフィックスの連続投入は、同社が深刻な技術的課題に直面していることを浮き彫りにしている。「576.02」の致命的な温度センサー不具合に対応した「576.15」、さらに直後の「576.26」と、立て続けに修正が行われたにもかかわらず、根本的な障害は依然として残っている。

このような状況は、開発サイクルの過密さや、GPUアーキテクチャとOS・ソフトウェア環境との整合性において、十分な検証が行われていない可能性を示唆する。また、Windows 11の「24H2」アップデートがトリガーとなっているとの報告もあるが、それは複合的要因の一端に過ぎず、最終的な責任はドライバー側の適応力にかかっている。現状のままでは、消費者は新型GPUへの移行に慎重になることが予想され、市場導入の初期段階で期待されたパフォーマンスの普及が大きく鈍化する恐れもある。

高額かつ高性能を売りにするRTX 5090および5080に対し、Nvidiaが求められているのは機能追加よりも信頼性の確保である。リカバリモードでの対応やロールバックを強いられるような状況が続けば、同社のブランド価値にも影響しかねず、次世代ドライバーの開発方針自体の見直しが不可避となる。

Source: TechRadar