Appleは、当初予定していたiPhone 17 Proシリーズ向けの耐傷性・反射防止ディスプレイコーティングの採用を中止したと報じられている。信頼筋によれば、量産体制において技術的な課題が生じたことが理由とされ、昨年のWeiboリークと食い違う結果となった。これにより、Corning製の「Gorilla Armor」シリーズを搭載し、反射を最大75%削減するとされるGalaxy S24 UltraやS25 Ultraとの差が改めて注目される形となった。

一方で、S24 Ultraでも指紋防止層の早期劣化が指摘されており、反射防止ガラス自体の完成度には依然として課題が残る。iPhoneが同様のディスプレイ技術を採用するのは、早くても2026年のiPhone 18シリーズ以降になる見通しだ。

Appleが量産を断念した反射防止コーティングの背景と技術的課題

iPhone 17 Proシリーズに搭載予定とされていた耐傷性・反射防止スクリーンコーティングは、Appleが量産化における技術的な問題を理由に採用を見送ったと報じられている。MacRumorsが「信頼できる情報源」に基づいて伝えた内容によれば、Appleはこの新素材の生産工程において一貫性や歩留まりの確保に苦戦し、最終的に製品化を断念したという。この判断は、2023年にWeiboで流れた「iPhone 17に反射防止処理が施される」とする情報を否定する形となった。

この技術はディスプレイ表面の反射を抑えつつ、傷や汚れへの耐性を高める目的で検討されていたもので、実現していれば視認性や使用感において大きな進化となった可能性がある。しかしAppleは、従来のオレオフォビックコーティングとは異なる新技術において、大規模な製造体制を確立するには至らなかったようだ。結果として、今年のiPhoneではディスプレイの視認性改善に関する大きな変化は見込めない状況である。

このような開発中止の背景には、量産技術と製品品質の両立が求められるAppleの製品哲学も関係していると考えられる。新素材の導入が遅れる一方で、次世代モデルへの応用可能性を探る取り組みは今後も継続されるだろう。

Galaxy S25 UltraのGorilla Armor 2が提示する反射対策の現在地

Appleがコーティング採用を見送った一方で、サムスンはGalaxy S25 UltraにてCorning製の「Gorilla Armor 2」を導入し、反射防止性能をさらに強化している。先代のS24 Ultraでは、Gorilla Armorによって反射率を最大75%削減することに成功しており、屋外でも優れた視認性を実現していた。今回のアップグレードでは、それに加えて耐傷性や透過率の向上も図られているとされ、ディスプレイ技術における明確な差別化要素となっている。

しかしながら、Android Authorityが報じたユーザーアンケートによれば、S24 Ultraユーザーの約3割が指紋防止層の早期摩耗を体験しており、コーティングの持続性には疑問も残る。特にオレオフォビックコーティングが数ヶ月で劣化したとの指摘が多く、反射防止性能だけでなく、日常使用における耐久性が今後の改良課題となっている。S25 Ultraではこの点への対応が注目される。

現状では、Gorilla Armorシリーズの反射軽減技術がAndroid端末の特長として際立っており、視覚体験の質を重視する層にとっては魅力的な選択肢となっている。Appleがこの分野で後れを取っている以上、来年以降のiPhoneでの巻き返しが待たれる。

iPhoneに反射防止ディスプレイが導入される可能性とその時期

AppleがiPhone 17シリーズでの導入を見送ったことで、反射防止コーティングを備えたiPhoneが登場するのは早くとも2026年のiPhone 18シリーズ以降になると考えられている。これまでAppleは、新技術の採用にあたっては完成度と信頼性を最優先する傾向があり、不完全な状態で市場投入することは避けてきた。そのため今回の判断も、品質基準に達しなかった技術に対する一貫した姿勢の表れといえる。

一方で、Android陣営ではサムスンに加え、iQOO 13の上位モデルやTCLのNXTPAPERシリーズでも反射対策技術の導入が進んでいる。各社はそれぞれ独自の素材や加工技術を用いており、視認性向上をめぐる競争が激化している状況である。この流れを踏まえれば、Appleも来年以降のモデルに向けて改めて技術の成熟度を評価し、導入時期を見極める可能性が高い。

また、Appleが2026年にも初の折りたたみデバイスを発表するとの予測もある中、画面の耐久性や光学性能への関心は一層高まると考えられる。今後は反射防止技術とディスプレイ形状の進化が交錯する領域で、新たなトレンドが形成されていくかもしれない。

Source:Android Authority