サムスンはGalaxy S25シリーズの新モデルとして、厚さわずか5.84mmの超薄型スマートフォン「Galaxy S25 Edge」の投入を予定している。Snapdragon 8 Eliteチップを搭載し、6.6インチの狭額縁ディスプレイや200MPのメインカメラを搭載するなど、薄型設計でありながら性能面でも高い水準を維持している点が特徴だ。

韓国メディアFNNewsによると、発表は5月13日、発売は韓国・中国で5月23日、その他地域では5月30日が予定されているという。価格はGalaxy S25 Plusと同等の約1,045ドルと見られ、チタンやセラミック素材による高級感の演出も注目されている。デザインや機能の両面で、新たなフラッグシップの選択肢となり得るモデルとして、今後の詳細発表が期待される。

超薄型ボディとハイエンド構成が共存するGalaxy S25 Edgeの設計思想

Galaxy S25 Edgeは、厚さ5.84mmという極めてスリムな筐体に、200MPカメラやSnapdragon 8 Eliteチップといったハイエンド仕様を詰め込んだ、従来のフラッグシップとは異なるアプローチの製品である。S25 Plusが7.3mm、S25が7.2mmであるのに対し、大画面の6.6インチディスプレイを搭載しながらも、S25 Edgeはその厚みを大きく削減している点が特筆される。素材にはセラミックとチタン、あるいはアルミを使用することで、強度と質感の両立を図っているとされる。さらに重量も162〜163gに抑えられる見込みで、手に取った瞬間に軽さを実感できる構成となっている。

一方、性能面では冷却効率の低下を避けるためにチップセットが調整される可能性も報じられており、ベンチマーク上ではS25 Ultraにやや劣るという見方もある。ただし、日常的な使用における体感差はわずかであり、軽さと性能の両立を重視する層にとっては魅力的な選択肢となる可能性がある。サムスンがこのモデルに「革新の結晶」という言葉を用いた背景には、薄さという外見的な驚きだけでなく、内部構造や素材選定における技術の蓄積があると考えられる。

カメラ性能とデザイン制約のバランスに見るS25 Edgeの狙い

Galaxy S25 Edgeに搭載されるカメラは、200MPの高解像度メインセンサーと12MPの超広角レンズのデュアル構成となる見込みである。このカメラ構成は、端末の厚みが極端に抑えられていることによるスペース上の制限を反映したものと考えられ、iPhone 17 Airにも似た設計思想が見られるとの指摘もある。これにより望遠レンズの搭載は見送られる可能性が高く、ズーム性能を重視する用途にはやや不向きかもしれない。

ただし、搭載されるメインカメラの解像度はGalaxy S25 Ultraと同等の200MPとされており、単眼構成ながらも画質面での妥協は少ない設計と見られる。画素数を活かしたクロップズームや、AIによる補正処理との組み合わせで実用的な画質を確保する可能性も指摘されている。カメラ機能の全体像としては、「多機能よりも高品質の基本機能」に重きを置いた構成と見ることができ、写真の解像感を優先する層や、端末の軽さ・薄さを重視する層にとっては納得の設計と言える。スマートフォンに求められる価値のバランスが再定義されつつあることを示す例とも取れる。

価格帯と発表タイミングにみる市場へのアプローチ戦略

Galaxy S25 Edgeの価格は、Galaxy S25 Plus(999ドル)とGalaxy S25 Ultra(1,299ドル)の中間となる可能性が高く、韓国での報道では256GBモデルが150万ウォン(約1,045ドル)とされている。これは、上位モデルに近いデザインと素材を採用しながらも、カメラやバッテリーの一部機能を抑えることで価格を調整している構図である。また、5月13日に発表、14日より予約開始、韓国・中国での発売が5月23日、米国などその他の地域では5月30日が予定されていると報じられている。

ただし、同日にはGoogleのAndroidイベントが控えていることから、両社の発表が重なる可能性が指摘されており、注目度の分散や話題性の競合といった点ではリスクも伴う。サムスンがこの時期に発表を設定した意図としては、Pixel 9aなどの競合モデルを意識したタイミングで市場の関心を集める狙いがあると見ることもできる。薄型設計と高価格帯の両立という挑戦は、単なる差別化ではなく、フラッグシップの定義そのものを更新しようとする試みにも映る。価格と投入時期の両面から、従来とは異なる市場の捉え方が反映されている。

Source:Tom’s Guide