Samsungが4月から提供を開始したOne UI 7.0は、Galaxy S24とS23シリーズに対して異なる体験をもたらしている。最新のS24シリーズでは、滑らかなアニメーションと再設計されたアイコンに加え、ロック画面にリアルタイム情報を表示する「Now Bar」が初搭載された。さらに、Galaxy AIの音声消去機能や20言語対応の通話書き起こし機能も強化され、実用性が高まっている。
一方、S23シリーズにもアップデートは配信されているが、提供時期や機能の最適化状況において差が見られる点は注目すべきだ。アップデート対象機種の範囲も広く、Z Fold/Flipシリーズやタブレットにまで及んでおり、導入時期は地域やキャリアによって異なる。これにより、同じOne UI 7.0でも機種や地域で体験に差が出る可能性がある点には留意が必要である。
ロック画面の常時表示機能「Now Bar」がもたらす体験の変化

One UI 7.0の注目機能「Now Bar」は、Galaxy S24シリーズ限定で導入された新しいロック画面ウィジェットである。ワークアウト中の統計、音楽の再生状況、天気情報などがリアルタイムで表示され、端末のロックを解除せずに情報を取得できる。従来のAlways On Displayとは異なり、内容の即時反映と操作性の高さが特徴で、よりダイナミックなロック画面活用を可能にしている。この機能は、日常的なスマートフォンの使い方において、情報へのアクセススピードと視認性を優先するユーザーにとって利便性が高い。
この新機能は、S24シリーズを先行対象とすることで、ハードウェア要件や最適化の違いが影響している可能性がある。One UI 7.0はS23シリーズにも配信されているが、「Now Bar」は搭載されておらず、インターフェースの統一感に差が生じている。ロック画面の機能がシリーズ間で分かれることで、同じソフトウェアバージョンであっても、使用感に明確な差が生まれている点は無視できない。今後のアップデートで対象機種が広がるかは不明だが、現時点ではS24の大きな差別化要素となっている。
AI機能とセキュリティの強化がもたらす実用性の拡張
Galaxy AIに新たに加わった「オーディオイレイサー」は、録画中の音声から背景ノイズを除去する機能であり、特に動画制作やビデオ通話での活用が見込まれる。さらに、会話の書き起こし機能は英語(インド)やヒンディー語など20言語に対応しており、多言語コミュニケーションの支援として機能する。このような音声処理や翻訳能力の向上は、スマートフォンが日常的な情報処理端末として果たす役割を強化している。これらはすべて、Android 15をベースとしたOne UI 7.0によって統合的に実現されている点が特徴的である。
また、2025年4月セキュリティパッチが同時に含まれており、UI刷新に加えて安全性の確保にも注力していることがうかがえる。見た目の変化や新機能ばかりに注目が集まりがちだが、こうした裏側の堅牢化も日々の使用においては不可欠である。実際、セキュリティ対策の強化がOne UI 7.0全体の信頼性を底上げしているといえる。こうした総合的な実用性の拡張が、単なる見た目の刷新にとどまらない価値を生み出している。
地域と機種ごとに異なる配信状況とその影響
One UI 7.0の配信は、Galaxy S24シリーズを皮切りに韓国で4月7日からスタートし、その後アメリカ、欧州、インドへと展開された。配信対象にはS23、S22、Z Fold/Flipシリーズ、Tab Sシリーズまで含まれているが、配信タイミングや機能の最適化状況は機種や地域によってばらつきが見られる。たとえばS23シリーズは韓国では4月22日、アメリカでは4月25日に配信開始されたが、AT&Tなど一部キャリアでは配信が遅れている。また、バグによる一時停止や再配信も確認されており、展開の安定性にも差が出ている状況だ。
こうした配信の地域格差やキャリアごとの対応状況は、同じ端末を使っていてもユーザーごとの体験に時間差を生む要因となる。特に米国AT&Tのように配信が後回しになるケースでは、他地域との比較で不公平感を覚えることもあるだろう。Galaxyデバイスにおけるソフトウェアの進化は着実に進んでいるものの、その恩恵をすぐに受けられるかどうかは、依然として複数の要因に左右される実情がある。これは、今後もアップデート時の注意点として意識しておくべき要素である。
Source:Sammy Fans