4月30日(水)の米市場は、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、クアルコムといったテック大手3社の決算発表が相次ぐことで注目を集めている。加えて、キャタピラーやヒューマナなど産業・医療セクターの大手企業も決算を控えており、その動向が市場全体に影響を与える可能性がある。

マイクロソフトは売上685億ドル、メタはEPS5.24ドル、クアルコムは収益105億ドルといった高水準の予想が並び、ハイテク株の勢いを測る上でも重要な節目となる。一方、ウェスタン・デジタルやADPなどの実績も視野に入れた全体観の確認が求められる。

テクノロジー大手3社が決算発表を控え市場の関心が集中

2025年4月30日には、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、クアルコムの3社が引け後に決算を発表する予定である。マイクロソフトは685.3億ドルの売上、3.23ドルのEPSが予想されており、AI分野の事業拡大がどこまで寄与したかが焦点となる。メタについてはEPS5.24ドル、収益414.8億ドルとされ、広告収益の回復度合いが注目される。

クアルコムはモバイルとIoT部門の動向を反映する105.5億ドルの収益予想が出ており、スマートフォン需要の変化が決算にどう表れるかが重要である。いずれも市場の先行き観測に直結する内容だけに、好業績でもガイダンスが慎重であれば株価の反応は限定的となる可能性がある。これらのテック巨頭の業績は、S&P500全体の値動きにも波及効果をもたらすだろう。

産業・医療大手も決算を控え多業種にわたる評価機会

同日にはキャタピラー、ヒューマナといった非テック企業も決算を予定しており、セクター横断的な業績比較の機会となる。キャタピラーは建設機械を中心とするインフラ需要を背景に、147.4億ドルの収益と4.37ドルのEPSが見込まれている。ヒューマナは医療保険事業で9.96ドルのEPS、321.3億ドルの収益予想が出ており、保険料改定や医療支出のトレンドが収益性にどう影響しているかが分析対象となる。

これにより、製造業と医療セクターの耐久性を測る材料が揃う一日となる。市場はテック企業に目を奪われがちだが、リアルエコノミーを構成するこれらの企業動向も投資判断に不可欠である。

市場全体のボラティリティ上昇に備えた構えが必要

この決算集中日は、複数業種にまたがる企業群の発表が同時に重なるため、個別銘柄のみならず指数全体への影響も無視できない。特にアフターマーケットでの発表が多いため、引け後に発生する価格変動が翌営業日のオープンに与えるインパクトは大きいと見られる。事前予想を上回る結果であっても、ガイダンスが軟調であれば利益確定売りが加速するケースも想定される。

加えて、決算発表を起点とした業績見通しの修正やアナリストによる格付け変更などが短期的な需給を左右する。市場参加者は、複数シナリオを想定した柔軟な戦略を持つ必要がある。特に金利や景気感応度の高いセクターにおいては、単一の決算だけでなくマクロ経済の連動性にも留意すべきである。

Source:Investing.com