Motorolaの最新フラッグシップ折りたたみモデル「Razr Ultra 2025」が正式に登場した。最大の特徴は、7インチのFHD+超高解像度AMOLEDディスプレイ(2912×1224)と、最先端のSnapdragon 8 Eliteチップセットを搭載した点にある。画素密度464ppiと165Hzの可変リフレッシュレートに対応するLTPO技術により、映像表現とバッテリー効率を高次元で両立している。
さらに、4インチの1272×1080カバーディスプレイは、全てのAndroidアプリに対応する仕様で、Z Flipシリーズとの差別化が図られている。昨年までのミッドハイ志向から一転し、今年は16GB RAMと最大1TBストレージ、PANTONE認証の個性的な仕上げも相まって、価格1,299ドルの価値に見合う構成といえる。
折りたたみでも一切の妥協なし Snapdragon 8 Eliteと16GB RAMがもたらす性能進化

Motorola Razr Ultra 2025は、折りたたみ端末としては珍しく、最新のSnapdragon 8 Eliteを搭載し、プロセッサ性能において妥協を排除してきた。昨年のSnapdragon 8s Gen 3と異なり、Eliteはクロック周波数とAI処理能力の両面で強化されており、アプリの起動速度やマルチタスク処理で目に見える差が出ると見られる。加えて、16GBのRAMと512GB~1TBのストレージ構成により、重量級のゲームやクリエイティブ用途にも十分対応可能なスペックとなっている。これにより、従来の折りたたみ端末にあった処理性能の限界というイメージが払拭されつつある。
こうした仕様は、ハイエンドスマートフォンとしての立場を明確にすると同時に、折りたたみデバイスに対する信頼性の向上にも寄与していると考えられる。これまでのRazrシリーズはデザイン性や携帯性を優先してきたが、2025年モデルは従来比で性能を大きく引き上げたことで、実用性と先進性のバランスが取れた一台として再評価される可能性がある。重視すべきは、これが単なるスペック強化ではなく、フラッグシップ機としての完成度を意識した調整である点にある。
7インチAMOLEDと4インチカバーディスプレイ デュアル画面の設計思想に注目
メインディスプレイは7インチのAMOLEDで、解像度2912×1224、画素密度は464ppiに達する。これにより映像の精細さやテキストの読みやすさが大幅に向上しており、映像視聴や電子書籍閲覧といった用途にも違和感なく対応可能である。さらに、LTPO技術により165Hzから1Hzまでリフレッシュレートを動的に調整できるため、スムーズな操作感と省電力性能を同時に実現している。これまで折りたたみ端末で懸念されてきたバッテリー消耗の問題に対する一つの回答とも言える。
一方、フロントの4インチディスプレイは1272×1080の解像度を備え、形状はほぼ正方形に近い。注目すべきは、このカバーディスプレイがほぼすべてのAndroidアプリに対応している点であり、通知確認や簡易操作にとどまらず、実用性を重視した設計となっている。SamsungのGalaxy Z Flipシリーズと異なり、用途の制限がないことで、利用シーンが広がる設計がなされていることがうかがえる。この2画面構成の完成度が、折りたたみスマートフォンとしての成熟度を象徴している。
質感を選べるPANTONEカラーと価格戦略 個性と所有感を刺激する要素
Motorola Razr Ultra 2025では、外装にPANTONE認証の4種類のカラーバリエーションが用意されている。Rio RedとCabaretはヴィーガンレザー仕上げ、Scarabはアルカンターラ、Mountain Trailは木材風仕上げと、いずれも素材の質感にまでこだわった選択肢が用意されている点が特徴的である。これらのカラーバリエーションは単なる色違いではなく、ユーザーの嗜好や使用シーンに合わせた選択を促すものとなっており、スマートフォンをファッションやライフスタイルの一部として捉える傾向を強く意識したものと考えられる。
価格は1,299ドルに設定されており、予約は5月7日から開始、アメリカでは5月15日に出荷が始まる予定とされている。この価格帯は、ハイエンド折りたたみ端末としては妥当なラインに見えるが、性能・素材・画面構成のいずれもが高い水準にあるため、所有欲を刺激する構成といえる。デザイン性と高性能の融合に加え、カスタマイズ可能な外観を提供することで、スマートフォンに個性を求める層に対して強く訴求する構成となっている。
Source:Android Headlines