マイクロソフトは、Windows Server 2025に搭載されるホットパッチ機能を2025年7月1日よりサブスクリプション制へ移行すると発表した。再起動なしでセキュリティ修正を適用できるこの機能は、月額1.50米ドル/CPUコアという料金体系で提供される。2024年からプレビュー提供されていたが、Azure Arcを通じてオンプレミス環境にも展開可能となり、マルチクラウド対応も視野に入る。現在試用中の管理者には、6月末までの登録解除が案内されており、自動課金の対象外とする措置が取られる。

ホットパッチは、Windows Server 2022 Datacenter: Azure Editionで先行導入されていた技術で、実行中のプロセスのメモリ内コードを直接修正する仕組みにより、運用停止リスクを大幅に低減する利点がある。Windows 11 Enterprise 24H2やWindows 365などでもテストが進められており、今後の広範な展開が見込まれるものの、すべての更新が再起動を回避できるわけではない点には留意が必要である。

有料化されるホットパッチ機能の仕組みと対象環境

Windows Server 2025に導入されるホットパッチ機能は、システムの再起動を必要とせずにセキュリティ修正を反映できる点が最大の特徴である。パッチは実行中のプロセスのメモリに直接適用され、業務を止めずに重要な更新が可能となる。この技術は2022年から「Windows Server 2022 Datacenter: Azure Edition」で提供されており、クラウド上の運用環境で先行活用されてきた。2025年7月からはこの仕組みがサブスクリプション制で提供され、月額1.50米ドル/CPUコアという料金が設定される。

対象となるのはAzure Arcを通じて接続されたWindows Server 2025のStandardまたはDatacenterエディションで、オンプレミスやマルチクラウド環境でも利用可能となる。ただし、Azure Update Managerからホットパッチを有効化する設定や、Azure Arcとの接続が前提条件となる。加えて、Windows Updateチャネルを経由しない更新や.NET関連の非セキュリティ修正などはホットパッチの対象外となり、再起動が避けられないケースも残されている。

無償試用から有料移行へ スケジュールと注意点

マイクロソフトは2024年9月にWindows Server 2025向けのホットパッチのパブリックプレビューを開始し、同年11月にはWindows 11 24H2およびWindows 365でもテストを開始した。この流れを受けて、2025年4月にはx64アーキテクチャを採用するWindows 11 Enterprise 24H2での本格展開が始まっている。そして、正式なサブスクリプション提供は2025年7月1日から開始される見通しである。

現在プレビュー版を利用している管理者に対しては、6月30日までにAzure Portal上での登録解除を促しており、登録を継続した場合は自動的に課金対象となる。これにより、テスト目的で導入した環境が意図せず有料化されるリスクもあるため、移行期の対応には慎重さが求められる。これらの点からも、ホットパッチのメリットを享受しつつコストと運用要件を見極める姿勢が重要であり、無条件での導入が最善とは限らないと言えるだろう。

Source:BleepingComputer