NVIDIAは、新たな販売促進策として『DOOM: The Dark Ages』Premium EditionをGeForce RTX 5070以上の購入者に無償提供するキャンペーンを開始した。対象となるのは、RTX 5070、5070 Ti、5080、5090のデスクトップGPUおよび対応ラップトップで、販売期間は5月21日まで、ゲームコードの引き換えは6月20日までとされている。
『DOOM: The Dark Ages』は、idTech8エンジンとDLSS 4によって最新のレイトレーシングとAI生成画像処理が可能となる作品であり、RTX 50シリーズの性能を体感できる象徴的タイトルと位置付けられる。本施策は、高価格帯GPUの販売加速と新作ゲームの話題性を同時に活用するもので、NVIDIAの市場戦略と技術アピールの両面で重要な意味を持つとみられる。
NVIDIAが展開する限定バンドル戦略と対象GPUの線引き

NVIDIAは、5月21日までの期間限定でGeForce RTX 5070以上のGPU購入者に『DOOM: The Dark Ages』Premium Editionを無償で提供するキャンペーンを実施している。提供対象はRTX 5070、5070 Ti、5080、5090の各GPUおよび同等スペックのノートブックモデルに限定され、RTX 5060や5060 Tiは対象外とされた。特典には、通常価格99.99ドルのPremium Editionの早期アクセス権も含まれており、正式リリースより2日早くゲームプレイが可能となる。
この選別は、NVIDIAが販売促進を中高価格帯に集約させ、プレミアム市場の需要を喚起する狙いがあると考えられる。また、id Softwareによる同タイトルが新世代の技術デモンストレーションとして位置付けられていることから、上位GPUのみが最適なゲーム体験を提供できるという技術的要請も一因となっている。対象GPUの明確な区分は、今後のキャンペーン設計においてもNVIDIAがどのレンジを戦略的中核と見なしているかを示唆するものと言える。
DOOM: The Dark Agesが示す次世代グラフィックスの到達点
『DOOM: The Dark Ages』は、idTech8エンジンにより構築され、NVIDIAの最新技術DLSS 4(マルチフレーム生成対応)やネイティブレイトレーシングに対応したタイトルである。本作では、プレイヤーは中世を舞台としたダークファンタジー世界に没入し、高精細かつ高速なレンダリングに支えられた没入感を体験できる。特にレイトレーシングとDLSSの組み合わせは、映像品質とフレームレートの両立を可能にし、RTX 50シリーズの性能を存分に引き出す設計となっている。
このような高度なビジュアル要素の採用は、グラフィックス技術の進化とハードウェア性能の要求水準の高まりを象徴している。RTX 5070以上というハードルは、これらの次世代表現が従来のGPUでは満足に実現し得ないことを示唆しており、単なる販促策にとどまらず、技術的世代交代をユーザーに促す機会ともなっている。これにより、同世代GPUの普及に対するNVIDIAの移行圧力が一段と強まる可能性がある。
Source:VideoCardz.com