Nvidiaの新型GPU「GeForce RTX 5060 ラップトップ版」が、GeekbenchのOpenCLベンチマークにおいて、前世代のRTX 4060から最大18%の性能向上を示した。搭載されたColorful製ラップトップは、Intel Core i9-13900HXまたはCore Ultra 9 285Hとの組み合わせでテストされ、前者で109,431点、後者で102,564点を記録している。

この性能差は、CUDAコア数の増加(3,328基)とブーストクロック2.5GHzの設計値によると見られるが、実際の動作はそれに満たない結果となっている。さらに、GDDR7メモリやAda Lovelaceアーキテクチャの採用により、RTX 20/30シリーズからの買い替え層への訴求力は高まる可能性がある。一方で、Geekbenchの指標は限定的なため、今後の実動作レビューが性能評価の鍵となる。

RTX 5060ラップトップGPUの性能は最大18%向上 ベンチマーク結果が示す数値的優位性

GeekbenchのOpenCLベンチマークにおいて、Nvidiaの新型GeForce RTX 5060ラップトップGPUは、前世代にあたるRTX 4060ラップトップ版に対して最大18%の性能向上を記録した。具体的には、Colorful製ノートPCに搭載された同GPUは、Intel Core i9-13900HXとの組み合わせで109,431点、Core Ultra 9 285Hでは102,564点をそれぞれマークしており、平均スコア93,132点のRTX 4060を明確に上回る結果となった。

このスコア向上の背景には、CUDAコア数がRTX 4060の3,072基からRTX 5060の3,328基へと増加した点が挙げられる。さらに、RTX 5060はブーストクロックの設計値が2.5GHzに設定されており、これが処理能力向上に寄与したとみられる。

ただし、今回のテストではブーストクロックは2.5GHzに達しておらず、理論値に対する性能の上積み余地が存在することを示唆している。これらの数値はあくまでもベンチマークに基づく相対評価であり、実際のゲームプレイやクリエイティブ作業での使用感と乖離する可能性にも留意が必要である。

製品版での性能改善余地とRTX 20/30シリーズからの乗り換え検討の焦点

RTX 5060ラップトップGPUにおける最も注目すべき点は、ブーストクロック設計値である2.5GHzに現行サンプルが未到達であるという事実である。このことは、製品版でのクロック調整や熱設計の最適化によって、さらなる性能向上が見込める余地を残していることを意味する。特に、AI処理への対応力を高めるAda Lovelaceアーキテクチャや、新世代メモリであるGDDR7の搭載が、将来的な用途に対する耐性と汎用性を確保する技術的要素として評価される。

一方で、前世代からのアップグレード対象として検討されるユーザーにとっては、RTX 20シリーズや30シリーズとの性能差と電力効率が判断材料となる。Nvidiaは本モデルをRTX 5090・5080といった高価格帯の選択肢ではなく、ミドルレンジに位置付けることで、一定の性能を維持しつつ、価格とのバランスを重視した市場投入を目指している可能性がある。

これにより、クリエイティブ用途や軽量ゲームを主眼に置いたユーザー層には十分な訴求力を持ち得るが、高負荷のAAAタイトルを本格的にプレイする層にとっては、上位モデルとの差異が購買判断を左右する要素となろう。

Source:Notebookcheck