2025年4月30日、CNETはiPhone 16EとPixel 9Aという人気の低価格スマホ2機種のカメラ性能を徹底比較し、両者の特性を明らかにした。Pixel 9Aは広角・超広角・マクロ撮影に対応する3カメラ構成で、AIによる自然な肌色表現や猫・犬も対応可能なポートレートモードが強みである。
一方、iPhone 16Eは広角カメラ1基のみながらも自然な描写と細部のシャープさを確保し、ナイトモードでは細部描写の優位性を見せた。価格面ではPixel 9Aが500ドル未満、iPhone 16Eは599ドルと明確な差があり、カメラ機能の充実度ではPixelが優勢と評価された。
ただし、画像のコントラストや色味の違い、ポートレートの対象範囲などは購入者の好みに依存し、必ずしもPixel一択ではないと結論づけられている。
500ドル未満で優れた性能を示すPixel 9Aのカメラ構成

CNETの2025年4月30日の報告では、Google Pixel 9Aは500ドル未満の価格帯ながら、48MP広角、13MP超広角、13MP自撮り用カメラを搭載し、AI駆動のポートレート撮影やマクロモードにも対応する。光学式手ブレ補正(OIS)により暗所でも高品質な画像を実現し、肌の質感や細部のディテール表現が自然である点が評価された。
さらにPixel 9Aのポートレートモードは人間に限らず、犬や猫といったペット撮影にも対応し、他社製品との差別化要素となっている。一方で、AppleのiPhone 16Eは広角48MPカメラと12MPの自撮りカメラの2基構成にとどまり、マクロモードは非搭載だが、近接撮影では十分なフォーカス性能を維持する。
ナイトモードにおいては、Pixelが自然な色味を見せるのに対し、iPhoneはコントラストを強めた描写で差を見せた。結論として、Pixel 9Aは機能の多様性と価格の両面で優位性を示すが、iPhone 16Eはシンプルな構成ながら自然な描写で対抗している。
価格差とスペックが示す両モデルの市場戦略
Pixel 9Aが500ドル未満、iPhone 16Eが599ドルという価格設定は、両社の市場戦略の違いを映し出す。GoogleはPixel 9Aにおいて、手頃な価格で高性能カメラを求める消費者層を狙い、AIを駆使した写真表現力をアピールする。
一方、AppleはiPhone 16Eをエントリーモデルとして位置づけつつ、Proライン譲りの写真品質を提供することでブランドの一貫性を維持しようとする姿勢を見せる。この価格差が示すのは、Pixel 9Aが機能とコストのバランスを重視するのに対し、iPhone 16Eはブランド価値とシンプルな使いやすさに重点を置くという構図である。
市場ではPixelの高いコストパフォーマンスが注目を集めるが、Appleの堅固なブランド支持層はこの差を軽視する可能性も否定できない。カメラ性能の比較は単なる機能勝負ではなく、各社の戦略的立ち位置を読み解く鍵でもある。
実地テストで浮き彫りとなった画質と用途の差異
CNETのパトリック・ホランド記者はサンフランシスコ市内での実地テストを通じ、iPhone 16EとPixel 9Aのカメラ性能を比較した。その結果、Pixelは広いダイナミックレンジと高い明度で影のディテールまで鮮明に描き出し、色温度は冷たく、全体的にシャープな印象を与えた。
対するiPhoneは、毛の質感やレンガの色味で実物に近い自然さを見せる場面が多く、コントラストが強いことが特徴的であった。ポートレートモードではPixelのAIが衣服や椅子の質感、人物の肌の色を極めて自然に再現し、ナイトモードでは暗所でも安定した明るさを提供。
一方、iPhoneは細部描写に強みを持ち、特に電話線や暗室内の撮影でノイズを抑える結果を出した。用途によって選択の基準は異なり、最終的な選択はユーザーの写真体験に対する優先順位によって分かれるとされる。選択肢の多様化は、消費者にとって歓迎すべき状況である。
Source:CNET