Microsoftは、Windows 11バージョン24H2のアップグレードにおいて、WSUSおよびSystem Center Configuration Managerを利用する環境で深刻な障害が発生していることを正式に認めた。影響を受けたデバイスでは、更新プロセス中にsvchost.exe_wuauservがntdll.dllを介してアクセス違反を起こし、エラーコード「0x80240069」とともにクラッシュする事例が多数報告されている。

この障害は、特に企業環境における一括更新管理に支障を来しており、SCCM 2409を導入する環境では更新操作から数秒で全ての更新が失敗する現象が確認された。原因は23H2向け累積更新に含まれる不具合コードがFeature Managementシステムに追加されたことにあるとみられる。

Microsoftは問題の暫定回避策としてレジストリ編集によるオーバーライド手法を提示しているが、根本的な修正は2025年5月の公式パッチの提供を待つ必要があるとされる。

WSUSとSCCMに深刻な影響 Windows 11 24H2の展開が不能に

Windows Server Update Services(WSUS)およびSystem Center Configuration Manager(SCCM)を通じたWindows 11 24H2のアップグレードにおいて、svchost.exe_wuauservのクラッシュを伴う障害が確認されている。

2025年4月の更新プログラム適用後、対象システムはエラーコード「0x80240069」を出力し、更新の進行が完全に停止する。問題の発生箇所はntdll.dllとの干渉によるアクセス違反であり、イベントログには「Unexpected HRESULT while download in progress」の記録が残る。

SCCM 2409を運用中の企業環境では、インストール操作から10秒以内にすべての更新が失敗する事例が観測された。Microsoftはこの現象が2023年後半の累積更新に含まれていたFeature Managementコードの不整合に起因していることを明示している。また、23H2の有効化CABファイルを22H2へ適用した際にも同様の不具合が発生しており、問題は単一バージョンに留まらない。

企業における大規模な更新管理において、WSUSとSCCMの信頼性は極めて重要であるが、Microsoftが提供する更新物自体が障害の原因となる構造的なリスクが改めて浮き彫りとなった。

不具合の根本原因とMicrosoftの対応策に対する考察

今回の障害は、Microsoftが過去の累積更新で導入したFeature Management関連のコードがバグを含んでいたことに端を発している。このコードがWindows Updateにおけるペイロード取得処理に影響し、バリアントロジックに誤った分岐をもたらす構造となっていた。結果として、svchost.exe_wuauservがクラッシュし、更新プロセス全体が中断される致命的な状態に陥った。

Microsoftは応急措置として、レジストリに4つのDWORD値を設定することで該当コードの無効化を推奨しているが、これは根本解決ではなく一時的な回避に過ぎない。2025年5月に配布予定とされる公式パッチによる恒久的対応が待たれる一方、対象システムへの暫定的な展開判断には慎重さが求められる。

このような更新起因の構成破綻は、更新の品質管理体制における検証工程の脆弱性を示唆している。Microsoftにとって信頼回復の鍵は、単なる修正提供ではなく、更新提供前の設計段階における再評価にあるといえる。

Source:Windows Latest