Honorは、2025年モデルとなる「MagicBook Pro 16」シリーズを中国市場に投入し、クリエイターとゲーマー向けのプレミアムノートPC分野に本格参入した。標準モデルは最新のIntel Core Ultra 5およびUltra 9を搭載し、3K解像度・165Hzのディスプレイを備えることで、日常的なマルチタスクからプロフェッショナル用途まで幅広く対応する構成となっている。
一方、ゲーミング向け「Hunter Edition」は、世界初となるNVIDIA GeForce RTX 5070の搭載を特徴とし、DLSS 4.0対応と150W駆動の冷却機構により、ノートPCながら卓越した静音性と処理性能を実現している。AIによるリアルタイム最適化や戦略支援など、独自のゲーム体験を追求した設計も注目に値する。
価格帯は約870ドルから1700ドルまでと幅広く、特に上位構成のHunter Editionはハイエンド市場での競争力を高める戦略的な製品といえる。
RTX 5070とDLSS 4.0を世界初搭載 Hunter Editionが切り拓くゲーミングノートの新領域

Honorが新たに投入した「MagicBook Pro 16 2025 Hunter Edition」は、NVIDIAの最新GPU「GeForce RTX 5070」を世界で初めて採用し、ゲーミングノートにおける性能基準を一段と押し上げた。
8GBのGDDR7メモリとDLSS 4.0対応により、高負荷のゲーム環境においても描画の最適化とフレームレートの安定性が図られており、モバイル環境でのリアルタイムレンダリング体験を次の水準へと引き上げる構成である。
さらに、Honor独自の「Turbo X」および「Smart Silent Cooling 2.0」の冷却機構は、最大150W動作時でもファンノイズを35dBに抑制する性能を有しており、ゲーム中の集中力維持にも寄与する静音設計が特徴的である。アイドル時にはわずか17dBという数値を記録しており、ノートPCにおける静音設計の新たな到達点といえる。
こうした仕様は、単なるスペック競争を超え、モバイルゲーミングにおける快適性と没入感を両立させる方向へと舵を切った印象を受ける。Honorが「史上最も静かでパワフル」と自負するのも、過言ではない構成だ。
3K解像度×165Hzの高速パネル クリエイティブ領域での運用にも本格対応
MagicBook Pro 16 2025の標準モデルは、16インチのIPSパネルに3K解像度(3072×1920)、165Hzのリフレッシュレート、3msの応答速度を搭載し、色域もDCI-P3を100%カバーする高性能仕様となっている。加えて、TÜV Rheinlandの認証および「Oasis Eye Protection」技術を導入し、長時間の作業環境でも目の負担を軽減する設計が施されている。
このディスプレイ構成は、写真・動画編集やCAD設計など色精度と高速描画が求められる領域において有用であり、ゲーミング用途に限定されない多目的な性能を持つ点が特筆に値する。また、CNC加工された全金属筐体と「Meteor Arc」デザインによる意匠性も含め、プロフェッショナル環境での使用を意識したつくりとなっている。
ノートPCにおける画面品質と作業効率の両立は、依然として課題が残る領域であるが、Honorのアプローチはそれを正面から解決しようとする試みと捉えられる。高解像度と高リフレッシュレートの組み合わせは、次世代のスタンダードとして他社にも波及する可能性がある。
価格帯とラインアップに見るHonorの市場戦略
MagicBook Pro 16 2025シリーズは、標準モデルで6299元(約870ドル)から、Hunter Editionで最大12,299元(約1700ドル)という価格帯を設定し、構成別に明確なターゲティングがなされている。24GBまたは32GBのLPDDR5x RAMと1TB SSDを標準搭載とすることで、パフォーマンスとストレージに対する要求水準を満たしつつ、価格帯ごとの競争力を確保している。
特に注目すべきは、RTX 5070搭載のHunter Editionにおいても11,499元(約1590ドル)からという価格設定を行っている点であり、競合他社の同等スペック製品と比較してもコストパフォーマンスの高さが際立つ。カラーバリエーションや筐体素材といった外観への投資も行われており、単なる性能競争ではない付加価値戦略が読み取れる。
Honorがこのシリーズで狙うのは、価格感度の高い中上級層から、スペック重視の上級ユーザーまでを包括する広範な市場層と見られる。市場の細分化が進む中、同一シリーズで異なるユーザーニーズに応える構成は、今後の製品展開においても有効な布石となり得る。
Source:Gizmochina